夫婦生活が長くなると互いに理解しあえることも増え、関係性が安定してきます。
一方で、結婚当初から比べるとセックスの頻度が減ってしまったとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、セックスレスの原因についてご紹介します。また、男女別のセックスレスの事情やセックスレスを放置した場合のリスク、解消法についても見ていきます。
セックスレスとは
日本性科学会が定めた定義によると、「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクトが1ヶ月以上ないこと」がセックスレスとされています。
セックスというと挿入を伴うものとイメージされがちですが、上記の定義の「セクシュアル・コンタクト」はキスや裸でのスキンシップも含まれています。
ノマドマーケティング株式会社の調査によると、セックスの頻度について「1ヶ月に1回」と答えた夫婦は28.29%で最多となりました。定義で言及されている「1ヶ月以上」という頻度に照らし合わせると、一定の割合の夫婦がセックスレスだといえるのかもしれません。
セックスレスの現状
日本人のセックスの現状について調査した「ジャパンセックスサーベイ2020」の結果によると、婚姻関係にあるカップルのセックスレスの割合は2004年では31.9%だったのに対し、2020年では51.9%にまで上昇していることがわかりました。
上記の結果から、2組に1組の夫婦がセックスレスの状態であることがわかります。
また、セックスレスの割合は高齢であるほど高くなる傾向にあるようです。ノマドマーケティング株式会社の調査によると、30代の夫婦でセックスをしていないと回答した割合は約52%ですが、40代では約58%、50代では約73%、60代では約78%でした。
セックスレスになる主な原因
セックスレスの原因としては、以下の5つが挙げられます。
1.加齢による衰え
2.ストレス
3.コミュニケーション不足
4.信頼関係の変化
5.過去のトラウマ
セックスレスの原因は加齢やストレスなどの心身に起因するものや、コミュニケーションや信頼関係といった夫婦の関係性によるものなど多様です。また、過去の経験が理由となることもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
加齢による衰え
加齢によって体力的に衰えるにつれ、精力が低下します。結果、セックスに気持ちが向かず、セックスレスとなってしまうでしょう。セックスをしたいという気持ちはあっても、加齢による勃起不全などもセックスレスの原因として考えられます。
また、セックスには一定の時間がかかります。仕事から帰り、家事や育児などをした後にセックスをしようと思っても、睡眠時間を優先したいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
前述の通り、年齢が高くなるにつれてセックスレスの傾向が高まるという結果も出ており、加齢は大きな原因の一つといえます。
ストレス
仕事などで抱えるストレスは、セックスレスの原因として挙げられます。
適度にストレスを抱えている場合は、「パートナーに癒されることでストレスを解消したい」と思い、セックスにつながることもあるのかもしれません。しかし、過度にストレスがかかった状態だと、セックスをする精神的な余裕がない場合もあります。
また、リモートワークが普及したことにより、自宅でも仕事ができる環境が整いました。仕事とプライベートの境目が無くなりつつあり、職場で感じていたストレスを自宅で感じる場面が増える場合もあります。そのことで、ストレスがよりかかるようになり、セックスレスになることも考えられます。
コミュニケーション不足
コミュニケーションが不足することで、セックスレスに結びついてしまいます。
結婚前で同棲をしていない場合は、会う機会が限られます。そのため、会っている時間はコミュニケーションを積極的に取り、会っていない時間も頻繁に連絡を取り合う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、結婚前でも同棲をしている場合は会話のコミュニケーションだけでなく、身体的なコミュニケーションも積極的である場合が多いかもしれません。。お風呂に一緒に入ったり、寝る時間や場所が一緒だったりと、コミュニケーションの機会が多いと考えられます。。
しかし、結婚して一緒に暮らすようになると、お互いの仕事の都合などから寝る時間がずれるなど、生活リズムのすれ違いが起きます。また、子どもが生まれるなどすれば、生活リズムが子ども中心になり、夫婦だけの時間が限られてきます。結果、夫婦間のコミュニケーションが減少してしまうことにつながります。。
また、積極的にコミュニケーションを取らなくても、なんとなく相手が感じていることを察せるという感覚になります。お互いを理解しあっているという場合は良いかもしれませんが、お互いのことを理解したつもりで会話が減ると、コミュニケーション不足の一因となってしまいます。
信頼関係の変化
長年一緒にいることで、信頼関係が変化することもセックスレスの原因として挙げられます。特に、信頼関係が崩れると、セックスレスに結びついてしまうでしょう。
例えば、「何度もお願いしていることなのに相手が守ってくれない」というのは、信頼関係が崩れる要因として挙げられます。ささいなことでも何度も約束を破られると、不信感が募ってしまうでしょう。
また、浮気をした過去がある場合も信頼関係が崩れる大きな要因となってしまいます。相手を裏切るような行為はセックスレスの根本的な原因となってしまうでしょう。
過去のトラウマ
過去にセックスを断られたことがある場合は、セックスレスの原因となり得ます。「疲れているから」「今日は無理」と端的に断られてしまいショックを受け、トラウマとなって残ってしまうのです。
また、セックスを拒むこと以外に、セックスに対する不満を相手からぶつけられた経験もトラウマとなり得ます。今のパートナーでなくても、過去の交際相手の一言がトラウマとして残っていることもあるでしょう。
セックスレスは男女別に事情が異なることも!
セックスレスと一口にいっても、男女別で事情が異なることもあります。男性には男性特有の、女性には女性特有の悩みがあるものです。それぞれに抱えている悩みを互いに理解しなければ、セックスレスの解決は難しいでしょう。男女別のセックスレスにおける事情について見ていきます。
男性側の事情
男性側のセックスレスの理由としては、仕事が忙しいこと、相手のことを家族のように思えてしまうことが挙げられるでしょう。
男性の精力は年齢を重ねるごとに衰えていきます。仕事で疲れていると、セックスは後回しにされがちになってしまうでしょう。「次の日も仕事があるから早く寝て疲れを取ってしまいたい」と考えがちです。
会社で立場が上がっていくと、若手の時代にはないプレッシャーもあります。ますます忙しくなり、セックスをする気にならないということもあるでしょう。
また、長年連れ添っていると、相手の女性に対して恋愛感情よりも家族愛のほうが強くなることも考えられます。一緒に子育てをするなかで、女性が母親のような存在になってしまったという方も多いと考えられます。決して相手の女性のことを嫌いになってしまったのではなく、家族としての愛情がが強くなった結果として、セックスレスになる場合もあるようです。
女性側の事情
女性側のセックスレスの事情としては、子育てや仕事の疲れ、ストレスが挙げられるでしょう。
女性は出産後にホルモンの変化により、一時的に性欲が減退します。また、出産直後は生活環境が一変するため、大きなストレスを抱えてしまいがちです。結果、いつの間にかセックスレスになってしまうことも考えられるでしょう。
出産から月日が経っても、子育ては子どもが独り立ちするまで続くものです。子どもの成長とともに違う子育ての忙しさがあるため、なかなかセックスまで気持ちが向かないという場合も考えられます。
また、育児や仕事のストレスの結果、「面倒くさい」と感じてしまうこともあるかもしれません。男性側も仕事の疲れでセックスに積極的になれない傾向があるため、互いにストレスをため込んでしまった場合はセックスレスのになりがちなのかもしれません。。
セックスレスを放置した場合のリスク
セックスレスを放置した場合は以下のようなリスクが考えられます。
1.喧嘩が増える
2.浮気しやすくなる
3.離婚の原因になる
セックスは夫婦にとって大事なコミュニケーションの形の一つです。セックスレスになってしまうことで夫婦のコミュニケーションが減ってしまい、互いの誤解につながってしまいます。結果、上記のようなリスクが発生してしまいがちです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
喧嘩が増える
セックスレスの結果、相手からの愛情を感じられず、ささいなことに大きく反応してしまい喧嘩になってしまうかもれません。喧嘩が増えるとますます相手の愛情を感じにくくなり、よりセックスレスの期間が長くなってしまうでしょう。
そもそも、セックスレスになってしまう原因の一つにコミュニケーション不足があります。普段から相手に対しての理解が不足してしまい、何気ない一言に傷ついたり怒ってしまったりすることもあるでしょう。
喧嘩になってしまった結果、浮気や離婚にまで発展してしまう場合も考えられます。
浮気しやすくなる
セックスレスになってしまった結果、セックスの相手を夫や妻以外に求めてしまうかもしれません。もし異性に好意を寄せられてしまった場合、「セックスレスだから」と浮気の口実にもなってしまう場合があります。また特定の相手との浮気でなくても、風俗店を利用する場合も考えられるでしょう。
浮気をしてしまえば、たとえセックスレスの状態であっても慰謝料の請求は認められています。セックスレスが浮気の口実になったとしても、大きなリスクを背負うことになるといえるでしょう。
離婚の原因になる
セックスレスは離婚の原因になり得ます。離婚協議や調停離婚など、合意形成を経ての離婚の場合は、セックスレスを離婚の理由とすることは可能です。
セックスレスは離婚の理由の一つとして挙げられますが、根本的に結婚生活に幸せを感じることができていないということもあるかもしれません。。
加齢やストレスによるセックスレスの場合は、離婚に至ることがないよう会話でのコミュニケーションを心がけることが重要だといえるでしょう。
セックスレスを解消する3つのポイント
セックスレスを解消する3つのポイントは以下の通りです。
1.パートナーと話し合う
2.スキンシップを習慣化する
3.いつもと違うことをしてみる
コミュニケーションの活発化と変化がセックスレスを解消するカギになります。セックスレスは時間をかけて解消していく必要があるでしょう。大切なのは、互いに相手を思いやりながら実践することです。それぞれ詳しく見てみましょう。
1.パートナーと話し合う
セックスレスの解消のため、パートナーと話し合いましょう。特に、コミュニケーション不足が原因の場合は話し合いの場を作ることでセックスレスが解消する場合があります。
コミュニケーションが不足していると、「セックスレスについて悩んでいるのは自分だけなのかもしれない」と悩みを一人で抱えがちです。しかし、その悩みを相手に打ち明けることで、気持ちがすっきりします。もしかすると、相手もセックスレスで悩んでいることがわかるかもしれません。
話し合いの際には、「セックスレスを解消したいこと」「セックスレスの間に感じた不安」をはっきりと伝えましょう。その上で、相手がセックスレスについてどう感じているか、セックスの不満や心配事はないかを聞きます。お互いの気持ちを整理していくことで、セックスレスの解消に結びつくでしょう。
話し合いをする場合は、タイミングに注意しましょう。ストレートに伝えるのも良いかもしれませんが、料理を一緒に作るなど、何かの作業に一緒に取り組むことで話し合いのきっかけを作りやすくなるでしょう。忙しい平日よりも、二人とも休日のときに切り出す方が良いかもしれません。
また、話し合いの際は相手の意見を尊重することが大切です。一方的な言い方をしたり、責めるような言い方をしてしまったりすると、喧嘩の原因にもなりかねません。セックスレスを解消するどころか、よりひどくなってしまうこともあるため注意しましょう。
2.スキンシップを習慣化する
セックスに自然とつながるよう、スキンシップを習慣化しましょう。身体的な接触を増やすことで、セックスへの意欲が向上するかもしれません。
スキンシップといっても、キスやハグはハードルが高いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。「買い物の際に腕を組んでみる」「リビングで過ごしているときにもたれかかってみる」などの小さいことから始めてみると良いかもしれません。
そのほか、生活のふとした瞬間で触れ合いを増やしていきます。お風呂上がりにマッサージをしてあげることも、さりげないスキンシップだといえるでしょう。
スキンシップの機会を増やすため、子どもを預けてデートをしてみても良いかもしれません。デートの計画の際は、お互いの好きなものを再確認します。「映画が好きで、結婚前はよく行っていた」「おいしいもの好きで食べ歩きをしていた」など、昔の思い出からデートコースを考えるのもおすすめです。
スキンシップで大切なのは、二人で楽しむことです。あせらず、触れ合いを少しずつ増やしていきましょう。
3.いつもと違うことをしてみる
セックスレスを解消するために、いつもと違うことをしてみるのも手です。マンネリ化の解消につながるでしょう。
例えば、下着を変えてみる、二人で旅行に出かけるなど、普段とは違った演出をしてみることでお互いの気持ちに変化が生まれる場合があります。
また、セックスには一定の時間がかかるため、忙しいときには気持ちが向きにくいものです。そこで、時間を短縮してのセックスを意識してみるのも良いかもしれません。「セックスは疲れてしまう」というハードルを取り払うことで、セックスレスの解消につながる場合もあるでしょう。
時間を短縮するといっても、相手を大切にする気持ちを疎かにしてはいけません。セックスの際に相手を思う言葉を投げかけるなど、雰囲気を作ることを心がけましょう。
セックスレスの原因を理解して悩みを解決しよう!
2組に1組の夫婦がセックスレスの状態にあることからも、セックスレスは決して珍しい悩みではありません。原因も加齢による衰えやストレス、コミュニケーション不足、過去のトラウマなど多様で、男女はもちろん夫婦それぞれで事情も異なるでしょう。
セックスレスを放置してしまうと、浮気や離婚にもつながりかねません。夫婦関係が安定しているように思えても、セックスは夫婦間で重要なコミュニケーションの一つなのです。
セックスレスを解消するためには、普段のスキンシップや会話を充実させる必要があります。夫婦のうち片方だけががんばっても解決しません。お互いがセックスレスの原因を理解し、一緒に解決に向かっていく必要があるといえます。
まずはお互いに話し合ってみて、時間をかけてセックスレスを解消していきましょう。
話し合いで解決しない場合は、カウンセリングを受けてみるのも一つの方法です。
カウンセリングでは、心の専門家であるカウンセラーに様々な悩みを相談することができ、悩みを整理したり、具体的な対処法を見つけるためのサポートを受けることができます。
仙台女性心理カウンセリングサロン「GARDEN」ではセックスレスも含め夫婦に関する幅広い悩みを相談することができます。夫婦のセックスレスの相談先としてご検討ください。
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