臨床心理学と心理療法、カウンセリングの違いとは?

臨床心理学と心理療法、カウンセリングの違い

臨床心理学とは、心理学の一分野であり、人の異常心理や生活していくうえで問題となる行動の原因を科学的に探究し、その成果をふまえて問題の改善を目指すための学問のことです。日本ではとくに、臨床心理学は「カウンセリング」や「心理療法」と同じもののように思われがちです。しかし、世界的には別の学問として扱われます。

MEMO

ただし、カウンセリングと心理療法には、上記のような独立した学問や学派としての意味と、臨床心理学の介入における一技法としての意味の二つの場合があります。

3つの学問の違いと特徴

3つの学問の違いと特徴

臨床心理学の特徴

まず、臨床心理学は他の専門職と協力し合い、多角的に個人や社会が抱える問題の改善を図る学問です。そのため、臨床心理士になるには広い知識と研究能力が求められ、とりわけ心理学の専門的な知識の取得が前提となります。

心理療法の特徴

心理療法は、精神分析などの特定の理論を前提として、その理論にもとづく実践活動を行う学問です。さまざまな学派があり、独自の理論と技法の習得が前提となるので、大学のような総合的な学問を行う場所ではなく、私的な研究所での教育が中心になります。

カウンセリングの特徴

カウンセリングは教育学に属し、人に対する広い領域のサポートを目的とします。学問としての専門性よりも人間性が重視されるのが特徴です。

MEMO

臨床心理学ではサポートの対象を「患者」ではなく、サポートを受ける人という意味で「クライエント」と呼ぶ。

日本の臨床心理学の現状

日本の臨床心理学の現状

日本で現在これら3つの学問が混同される理由に、日本の臨床心理学が独自の発展を遂げたことがあります。

1980年以降、日本では深層心理学の学派が大きな比重を占めてきました。しかし、心理療法を身につけるには長期の特殊な訓練期間が必要となります。そのため習得が難しく、実際には心理療法ではなくカウンセリングの手法が行われてきました。

結果として、臨床心理学との区別がつめられないまま心理療法とカウンセリングが混じり合ったかたちで発展し、欧米のようにそれぞれの差が明確な状況にならなかったのです。

3つの学問の違いまとめ

臨床心理学、心理療法、カウンセリングにはそれぞれ以下のような特徴がある。

臨床心理学心理療法カウンセリング
目的さまざまな問題(精神的、情緒的、行動的、身体的)の解決苦悩を和らげ、苦悩を生むような人格の変化を促す比較的苦悩が少ないクライエントの、内面的な成長を助ける
介入方法問題の特徴に合わせ、さまざまな心理的介入技法を用いて介入する創始者の理論を順守。セラピスト(心理療法の実践者)とクライエントの結びつきを重視する共感的な面接を行う
所属心理学部。米国や英国では臨床心理士になるには博士号が前提私的な研究機関教育学部
特徴個人のほか学校や企業などさまざまな対象に介入。地域社会などコミュニティにも広く関わる学派によって理論や実践の仕方が異なる専門性よりカウンセラー(カウンセリンがの実践者)の人間性が重視される
テーマ比較表
MEMO

カウンセリングは自己表現の考えにもとづき、心理療法は特定の理論にもとづく。臨床心理学は心理学の専門知識にもとづき、さまざまな実践活動を行う。

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