人間不信とは?特徴や原因から克服のポイントを詳しく解説

人間不信とは?特徴や原因から克服のポイントを詳しく解説|GARDEN

他人のことが信じられず、コミュニケーションがうまくいかないという人は人間不信になっているかもしれません。人間不信の人にはいくつか特徴があり、原因もさまざまです。

人間不信が悪化した結果、精神的な不調に陥ることも少なくないでしょう。この記事は、人間不信について詳しく解説し、また克服するためのポイントについてもご紹介します。

人間不信とは?

人間不信とは?

人間不信とは、なにかしらの原因で他人を信じられなくなっている状態のことです。人間不信になると、他人の言っていることについて疑い深くなってしまいます。

たとえば、他人に褒められたとしても「本当は違うことを思っているのではないか」「裏ではひどいことを言っているのではないか」と思ってしまうのです。仕事はもちろん、恋愛や友人関係でも支障をきたす場合も多くなるかもしれません。

人間不信は、決して珍しいものではありません。若い人は、一定の割合で人間不信の傾向があるといえそうです。

内閣府の「令和元年版 子供・若者白書」によると、満13~29歳の男女に「人は信用できないと思う」という問いを投げかけたところ、「そう思う」が18.7%、「どちらかといえばそう思う」が37.3%でした。

上記の結果から、半数以上の若者が他人を信じられないと思っていることがわかります。

人間不信の状態にある人は他人を信用していないため、悩みを外に向けて発信しない傾向にあるといえます。そのため、一人で不安を抱えがちです。

人間不信な人の8の特徴

人間不信な人の8の特徴

人間不信の人には以下のような特徴があります。

  1. 親しくなると急に離れてしまう
  2. 話しかけづらいと思われている
  3. 人に対する不平不満が多い
  4. 疑り深い
  5. 人を試す言動や行動を取ってしまう
  6. 付き合いが苦手で一人を好む
  7. 感情表現が苦手
  8. 警戒心が強い

「自分は人間不信なのではないか」と感じている方は、当てはまるものも多いかもしれません。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.親しくなると急に離れてしまう

人間不信の人は、他人と親しくなると急に離れてしまう傾向があります。他人に裏切られることに恐怖心を持っている場合が多いためです。

人間不信の人にかかわらず、誰かに裏切られると深い傷を負うことになります。裏切られた経験がトラウマとなり、「他人に裏切られるぐらいならば、自分から離れよう」という心理がはたらいてしまいます。

せっかく人間関係を築いても、あるときからリセットされてしまうため、交友関係が広がりません。孤独な環境に陥ってしまいがちになるでしょう。

2.話しかけづらいと思われている

人間不信になると、人から話しかけづらいと思われる雰囲気を作ってしまいます。他人と関わることを、避ける傾向にあるためです。

人間不信になった人は、過去に対人関係で傷ついた経験を持つ人もいるでしょう。そのため、「孤独なればそもそも傷つけられることもない」「一人でいれば余計なストレスがかからない」と考えがちです。

他人を寄せ付けないケースがほとんどだと思われますが、家族に対しても話しかけづらい雰囲気を作っている場合は、重度の人間不信に陥っている可能性があります。

重度でない場合も、「職場ではあまり会話はしたくない」「なるべく会話せず職場や学校から帰りたい」と考えている方は、注意が必要かもしれません。

3.人に対する不平不満が多い

人間不信になっている人は、他人に対して不平不満を持つ傾向があります。他人を信用せず、認めない状態にあるため、すぐに不平不満を感じてしまうようです。

他人だけでなく、自分に対しても不満を持つ場合もあります。自分に自信が持てないため、他人が自分に対して悪いイメージを持っているのではないかと気になってしまいます。

他人を強く批判するなど、攻撃性が強い方は注意しておく必要があるでしょう。

4.疑り深い

人間不信だと、他人の言動に対して疑り深くなってしまいます。ポジティブな言葉を投げかけられても、「本当のことなのか」「自分のことをよく言うなんて信じられない」と感じてしまうのです。

疑り深さがひどくなると、他人について恐怖心を感じてしまう場合もあるかもしれません。「自分のことを攻撃してくるのではないか」「なにか嫌がらせをしてくるのではないか」というような心理状態になってしまいます。

疑り深さが発展し、他人に恐怖を感じるようになると、心に強いストレスがかかります。結果、精神疾患の原因になってしまいかねません。精神疾患を患ってしまうと、治療に時間がかかってしまうケースもあります。。

5.人を試す言動や行動を取ってしまう

人間不信の人は、人を試す言動や行動を取ってしまいがちです。人を試すことで、信用に足る人物か判断します。

たとえば、自分の悪口を言っていないか、友人同士の会話を隠れて盗み聞きすることが挙げられるでしょう。友人以外にも、恋人を試すこともあります。自分への確かな気持ちを試すため、あえて魅力的な異性に恋人を口説かせようとするケースもあるかもしれません。

重度の人間不信の人は、人を試すような行動を何度も取ります。そのため、裏切りにあう場面も増えてしまい、結果、より深刻な人間不信に陥ってしまうこともあります。

6.付き合いが苦手で一人を好む

人間不信になると、人付き合いが苦手になり、一人を好むようになります。他人を信じられないため、「そもそも一人でいれば嫌な思いもしない」と考えるようになるためです。

一人でいるのが好きなため、そもそも他人に興味関心を抱かなくなるケースもあるでしょう。新しい環境に身を置いたとしても、他人と親密になろうという気持ちが湧きにくいこともあるようです。。

他人が気を遣って話しかけたり食事に誘ったりしても、「結構です」と素っ気なく返してしまうこともあるかもしれません。自分は気楽でも、他人からすればあまり良い気持ちにはならないでしょう。結果、話しかけられることもなくなり、孤独を深めてしまいます。

7.感情表現が苦手

人間不信の状態だと、感情表現が苦手になります。他人のことを信用しておらず、他人にどう思われているか気になってしまうため、感情を表に出すことを避ける傾向にあると考えられます。

とくに、嬉しいことや楽しいことがあったとしても、笑顔を見せることは少ないかもしれません。笑顔は、他人に対して心を開いていることを伝える手段でもあります。他人を信用していない場合は、笑顔を見せることにも警戒してしまうのです。

笑顔を浮かべることがない相手に対して、他人は話しかけづらい雰囲気を感じてしまいます。他人との交流は、ますます減ってしまうでしょう。

8.警戒心が強い

人間不信の人は、他人への警戒心が強い傾向にあります。相手が何気なく言った一言でも意味を考えすぎてしまい、不信感を強めてしまうでしょう。

警戒心が強くなった結果、自分のことをあまり話さなくなります。「自分の情報がなにか悪いことに使われるかもしれない」と考え、聞き役に徹してしまうのです。

警戒心は、恋愛においても悪影響を与えることもあります。「相手が浮気しているかもしれない」と常に疑ってしまい、交際相手を束縛したり、過剰に干渉したりすることも考えられます。

人間不信になる原因

人間不信になる原因

人間不信になる原因は、以下のようなことが考えられます。

  1. 裏切られた経験
  2. 大きな喪失体験
  3. 理不尽な体験
  4. 子どもの頃の愛情不足

過去の体験によって深く傷つき、「もう誰も信用できない」という心理になってしまったことが考えられるでしょう。人間不信を克服したい場合は、原因について把握しておくことが大切です。それぞれについて解説していきます。

裏切られた経験

他人から裏切られた経験は、人間不信の原因の一つと考えられます。「信用してもまた裏切られて、きつい思いをするのではないか」と、他人に対して警戒心が強くなってしまうのです。

とくに、信頼を寄せていた人に裏切られると、大きな心の傷として残ってしまいます。他人はもちろんですが、家族など身内に裏切られてしまった場合は、傷も大きなものとなってしまうでしょう。

「あんなに信じていたのに、ひどいことをされた」と、裏切られた人に対して憎しみを持つと、他人に対して攻撃的になるかもしれません。

また、「裏切られた原因は自分にあるかもしれない」と思ってしまうと、自分に自信が持てず、他人と深く関わらなくなってしまうこともあるでしょう。

「裏切られるぐらいならば、最初から他人と関わらなければ良い」と考えるようになり、ますます他人を遠ざけてしまいます。

大きな喪失体験

過去の大きな喪失体験も、人間不信の一因となるかもしれません。喪失体験には家族や親友、大切にしていたペットの死などが挙げられます。死でなくとも、両親の離婚など家族が離れ離れになってしまうことも、喪失体験の一例と挙げられるでしょう。

喪失体験を経ることで、「どのようなものでも永遠はない」と考えるようになるかもしれません。大切に思っていたものを失くすつらさを経験することで、あえて大切なものを作らないようにすることもあるでしょう。

信じるものを作らず、他人に対しても期待しないようになった結果、人間不信となってしまうのです。

理不尽な体験

過去の理不尽な体験は、人間不信の要因となるかもしれません。いじめやいびり、部活などでの過度な指導やしごきといったものが挙げられます。

理不尽な体験は、自分に非があるわけではありません。それにもかかわらず、他人から激しい攻撃を受けることになります。結果、「この人は自分を攻撃してくるのではないか」と他人に対して警戒心が強くなり、人間不信となってしまうのです。

理不尽な体験は、「自分はだめな人間なのかもしれない」と思わせてしまうこともあるでしょう。自信をなくすことにもつながり、人間不信の要因となってしまいます。

子どもの頃の愛情不足

子どもの頃に十分な愛情を受けなかったことも、人間不信になってしまう原因かもしれません。親から認めてもらえず、自己肯定感が育まれなかった結果、人間不信となってしまうのです。

子どもの頃は感情をコントロールできず、わがままであることがほとんどです。わがままを認められず、叱られてばかりいると、親の顔色を伺いがちになってしまうこともあるでしょう。人の顔色を気にしすぎた結果、人間不信になってしまうケースも考えられます。

裏切られた経験や大きな喪失体験、理不尽な体験をしてこなかったのにもかかわらず人間不信の状態にある人は、子どもの頃を振り返ってみると原因を突き止められるかもしれません。

人間不信が悪化するとどうなる?

人間不信が悪化するとどうなる?

人間不信が悪化すると心の状態が悪化し、精神障害を引き起こすこともあります。代表的なものとして、「社交不安障害」「妄想性パーソナリティー障害」「複雑性PTSD」が挙げられます

社交不安障害とは、人前に立って注目される状況や恥をかいてしまうことに、大きな不安感や恐怖を覚えてしまう状態です。似たようなものに「緊張しやすい」「人見知り」がありますが、比べものにならないほど度合いが強い状態であることを指します。

症状としては、人前に立つことに恐怖を感じるほか、大量の発汗や激しい動悸などです。結果、人との関わりを避けるようになり、日常生活を送ることさえままならなくなる場合もあります。

妄想性パーソナリティー障害とは、人の言動に対し敵意や有害性を感じてしまい、根拠のない疑いを他人に抱いてしまう状態のことです。「自分のことを裏切らないか」「自分を攻撃してくるのではないか」と、人の言動を深く読みすぎてしまい、信用できなくなります。

実際に他人から攻撃されたり悪口を言われたりした場合に、強い反撃行動に出てしまう場合もあるでしょう。

複雑性PTSDは、感情のコントロールが難しくなったり、強い絶望感を覚えて他人と関わらなくなってしまったりする症状が現れます。原因としては、いじめや虐待、家庭内暴力などの理不尽な経験を繰り返すことにあるようです。

複雑性PTSDになった結果、他人を信じられず、ふさぎこみがちになります。結果、引きこもりの状態になってしまうことも少なくないでしょう。また、他人だけでなく自分に対しても否定的な見方をしてしまい、精神的に苦しんでしまうこともあります。

人間不信を克服するためのポイント

人間不信を克服するためのポイント

人間不信を克服するポイントは、以下のとおりです。

  1. 自分自身を認める
  2. 他人に期待しない
  3. 環境を変えてみる
  4. 人との関わりを増やしてみる
  5. 心の専門家やカウンセラーに相談する

まずは、自分で変えられそうだと思う部分を変えてみましょう。それでも解決しない場合は、心の専門家に相談してみると良いかもしれません。それぞれ見ていきましょう。

自分自身を認める

自分自身を認める機会を増やしていくことで、自分に少しずつ自信を持つことができるようになります。。自分が人間不信であることを受け入れることも、自分を認めることの一つです。

日中に誰かとコミュニケーションを少しでも取れた場合は、自分を褒めることも大切です。

一日の終わりは振り返りをし、「今日もがんばった」と自分を認めてあげるのも良いでしょう。

他人に期待しない

他人に過度に期待しすぎないことで、心の負担が軽くなる場合があります。人に期待しすぎて応えてもらえなかった場合に、強い失望感が生まれてしまうことを防ぐことができます。

自分を変えることはできても、他人を変えることは簡単なことではありません。自分と他人には、それぞれ違った個性や意思があることを意識すると良いかもしれません。他人と適度な距離を取ることでかえって人間関係がうまくいくこともあります。

環境を変えてみる

自分の身の回りの環境を変えることは、人間不信を克服するポイントの一つです。自分の考え方を変えるのは時間がかかりますが、環境であれば思い立てば比較的すぐに変えられます。

人間不信の理由が職場にあるならば、転職も考えてみましょう。また、自宅周辺の人間関係で苦しんでいるのであれば、引っ越しをするのも良いかもしれません。

生活環境を変えるのが難しい場合は、少しの間だけ旅行などに出かけてみるのも、気分転換の一つになるでしょう。

人との関わりを増やしてみる

人間不信になって人との関わりを減らしてしまうと、客観的に自分のことを見たり第三者の意見を聞く機会が減るため、人間不信につながる考え方を一人で強めてしまうことも考えられます。よって、人との関わりを増やすことで、人間不信を克服できる可能性があります。

まずは家族や職場など、身近なところから少しずつ人と関わってみましょう。なにか趣味がある場合は、趣味の集まりに参加してみるのもおすすめです。

なるべく外に出かけて他人と関わる機会を増やし、コミュニケーションをはかることで、人間不信を克服するきっかけになるでしょう。

 心の専門家やカウンセラーに相談する

自分の力だけで克服するのが難しい場合は、心の専門家であるカウンセラーに相談してみましょう。カウンセラーには守秘義務があるため、自分の悩みが他人に知られる心配もありません。

カウンセリングには対面形式や、オンラインや電話、メールなどさまざまな方法で利用することができます。。対面での相談がつらいと感じる場合は、オンラインでの利用を検討するのも良いかもしれません。

人間不信かもと思ったらカウンセラーに気軽に相談してみよう!

人間不信かもと思ったらカウンセラーに気軽に相談してみよう!

ここまで人間不信の概要や特徴、人間不信になる原因、克服するポイントについて解説してきました。若い人は人間不信の傾向にある人が約半数いるなど、決して珍しいものではありません。放置した結果、精神障害を患い長く苦しい思いをする可能性も考えられます。

人間不信の原因として、過去の傷ついた経験などが挙げられます。原因を特定したうえで、自分で解決するのが難しいと感じた場合は、プロのカウンセラーに相談するのも一つの方法です。

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