ひとりになりたいと思うのはうつ病?ひとりになりたいと思う原因と考えられる病気を解説

ひとりになりたいと思うのはうつ病?ひとりになりたいと思う原因と考えられる病気を解説|GARDEN

疲労や不安により集中できず、ひとりになりたいときってありますよね。「ひとりになりたい」という気持ちを持つこと自体は自然なことです。しかし、ひとりになりたいという気持ちがあまりにも強い場合、うつ病をはじめとした、なんらかの疾患を抱えているかもしれません。

この記事では、ひとりになりたいときの心理や原因とともに、考えられる病気やひとりになりたいときの対処方法について解説します。

ひとりになりたいと感じる主なタイミング

ひとりになりたいと感じる主なタイミング

ひとりになりたいと感じる主なタイミングには、以下の3つが挙げられます。

  • 仕事や子育てに追われて疲れているとき
  • 仕事でミスをしてしまっているとき
  • 誰かと喧嘩をしてしまったとき

ここでは、それぞれのタイミングについて解説します。

仕事や子育てに追われて疲れているとき

ひとりになりたいと感じる主なタイミングとして挙げられるのは、仕事や子育てに追われて疲れているときです。毎日、仕事や子育て、家事に追われていると、自覚している以上に疲れが蓄積されていきます。

特に、自分に厳しいタイプの人は、自分でも知らないうちにキャパシティを超えてしまうことがあるようです。世の中の変化により、子育てや家事に協力的なパートナーは増加しているものの、まだまだどちらかに偏りが見られるのが現状でしょう。子育ては、子どもとの時間を過ごせるかけがえのないものであるものの、苦労が多いと感じる方もいるかもしれません。

協力者が少ない場合、気分転換の時間を確保できないため、体だけではなく心まで疲弊してしまう可能性があります。心身が疲弊した結果、ひとりになりたいと感じてしまうかもしれません。

仕事でミスをしてしまっているとき

仕事でミスをしてしまっているときも、ひとりになりたいと感じるタイミングになることが多いでしょう。仕事でミスをしたとき、同僚や上司だけではなく、会社や取引先にも影響を与えることがあります。

その影響が大きい場合、罪悪感もそれに比例して大きくなります。また、失敗について上司から注意を受けることもあるでしょう。厳しい言い方をする上司の場合、言われたことが頭に残ってしまい、落ち込んでしまうかもしれません。

ミスの影響が大きかったり、厳しい注意をされたりしたときに、気持ちを切り替えたいと思い、ひとりになりたいと感じてしまいます。

誰かと喧嘩をしてしまったとき

誰かと喧嘩をしてしまったときも、ひとりになりたいと感じるタイミングです。恋人や家族、同僚といった親しい人と喧嘩や言い合いをしてしまうことも時にはあるでしょう。その場合、感情が高ぶり、相手の顔も見たくなくなることもあるでしょう。

相手の顔を見たくなくなるのは、一時的な感情の可能性があり、今後も良い関係を継続したいという思いは持っているはずです。しかし、すぐに自分から歩み寄ることは簡単ではありません。一度、自分の気持ちを落ち着かせるために、ひとりになりたいと思うことがあるようです。

ひとりになりたいと思う心理や原因

ひとりになりたいと思う心理や原因

「ひとりになりたい」という気持ちを持つこと自体は自然なことです。これは、心理学で「親和回避欲求」と言い、自分の感情をコントロールできなくなったときに発生します。

親和回避欲求が生じるのは、疲れている場合や悩んでいる場合だけではありません。環境による影響や、心の病気も考えられます。ここでは、ひとりになりたいと思う心理や原因について解説します。

心身ともに疲れている

ひとりになりたいと思う心理や原因として、心身ともに疲れていることが挙げられます。前述したように、仕事や家事で忙しい場合、心身が疲弊し、ひとりになりたい気持ちが強まります。特に現代は、ITの進歩により常に情報処理を求められる時代です。

仕事でも情報処理に追われ、気付けば仕事漬けになっていたケースも珍しくありません。その状態が常態化した場合、ストレスが蓄積されていきます。仕事漬けで蓄積されたストレスを解消するため、脳を休息させようという力が働き、親和回避欲求が生じます。

また、親和回避欲求が生じるのは、精神面で疲弊した場合だけではありません。激しい運動による身体的な疲労が溜まった場合にも生じます。心身のどちらか、または双方で疲れている場合に、ひとりになりたいと思うようです。

周囲に気を使いすぎている

周囲に気を使いすぎているときも、親和回避欲求が生じます。自分よりも、周囲の人のことを優先しがちな人は、知らず知らずのうちにストレスを蓄積している可能性があります。特に、周りとの協調性が高い人ほど、ストレスを蓄積しやすいと言われています。周囲に影響されることなく、自分のペースで進めるために、ひとりになりたいと感じるようです。

また、自責を感じやすい人も、親和回避欲求が生じやすいと言われています。自責を感じやすい人は、人の意見や周りの目を気にしてしまうことがあるため、周囲の状況や意見に振り回されてしまいがちです。

本来、したくない業務の場合や時間がない場合でも、断り切れずにストレスを溜めてしまい、人との距離をとりたいと思うようです。

人間関係に悩んでいる

人間関係に悩んでいるときも、親和回避欲求が生じます。前述したように、周囲に気を使いすぎる人は、仕事と断れないことがあるため、人間関係のストレスを溜めがちです。実は、常に完璧を求める人も人間関係に悩みやすい傾向があります。

常に完璧を求める人は自分への評価が厳しいものです。。しかし、完璧を求める人は自分だけではなく、周囲にも完璧さを求めてしまうことがあります。周囲にも完璧さを求めた場合、思い通りに進まなかったり、周囲からの反発があったりするかもしれません。

その結果、対人関係がうまくいかず、人付き合いが面倒に感じてしまいます。

精神的なショックを受けている

精神的なショックを受けているときも、親和回避欲求が生じる原因のひとつです。精神的なショックを受ける原因には、大切な人を亡くした場合や大切な物を失った場合のほかに、目標を達成できなかった場合や仕事で失敗した場合など、さまざまなケースが考えられます。

精神的なショックを受けた場合、自分の感情をコントロールできず、人と関わることを避けたくなり、親和回避欲求が生じることがあります。

過去や現在の環境による影響

過去や現在の環境による影響も、親和回避欲求が生じる原因のひとつです。人は「パーソナルスペース」という人に踏み込まれると不快に感じる空間を持っています。パーソナルスペースの広さは人によって異なります。

兄弟がいない場合や、自分専用の部屋があった場合、家でひとりになる時間が増えるため、おのずとパーソナルスペースが広くなりがちです。パーソナルスペースが広い人は、他人との距離が近い環境にいるとストレスを感じることがあります。満員電車や繁華街、人数が多い職場環境といった、集団との接触の機会が多い人も、人との接触を避けたくなる傾向があるようです。

また、これまで成功体験を得られていない人や、大きなトラウマを持っている人も、親和回避欲求が生じやすくなります。自分に自信が持てず、他人と比較してしまったり、周囲に受け入れてもらえないと思っている傾向があるようです。その結果、人と関わることを避け、ひとりになりたいと思うようです。

心の病気による症状

親和回避欲求が生じるのは、心の病気による症状の場合も考えられます。「急に電車に乗れなくなった」「起き上がれない」など、今までは問題なかったことができなくなった場合は、心の病気の初期症状の可能性が考えられます。

はっきりした原因がないのにもかかわらず、倦怠感がある場合も同様です。心の病気の初期症状の場合、早急に対策を講じる必要があります。

ひとりになりたいと思うのはうつ病の症状?考えられる心の病気

親和回避欲求が生じるのは、心の病気による症状の場合も考えられます。親和回避欲求は、だれもが持っているものです。しかし、急にひとりになりたいと思った場合、次のような病気の初期症状が表れていることも考えられます。

  • うつ病
  • 自律神経失調症
  • 社会不安障害

ここでは、ひとりになりたいと思う場合に考えられる病気について解説します。

うつ病

ひとりになりたいと思う症状が出る病気には、うつ病が考えられます。うつ病は、心の病ではなく、脳の病気です。正常時であれば、人間は喜怒哀楽の感情を持っています。しかし、ストレスが蓄積された場合、神経伝達物質「セロトニン」の放出量が減り、脳が正常に働かなくなることがあります。

症状

数日にわたり、以下のような症状が続いた場合、うつ病の可能性が考えられます。

  • 気分が落ち込む
  • イライラする
  • 不眠
  • 食欲減退
  • 倦怠感

理由がないにもかかわらず、涙が止まらなくなるといった初期症状が見られるのも、うつ病の特徴です。

治療方法

うつ病の治療となるのは、十分な休養と環境調整、薬物療法、心理療法の4つです。うつ病の症状が出た場合、早めに医師の診察を受けることが大切です。精神科や心療内科、メンタルクリニックで診察を受けられます。

うつ病治療の第一歩は、十分な休養と環境調整です。心身を休ませるとともに、職場や学校などの環境から離れたり配慮をしてもらうことにより、ストレス軽減につながる場合があります。

うつ病の治療には、薬物療法を行う場合もあります。抗うつ薬以外にも、抗不安薬や睡眠導入薬、気分安定薬、非定型抗精神病薬を使用することがあります。

また、ストレスを振り返り、対処法を学ぶ「心理療法」も大切と言われています。認知行動療法や対人関係療法が一般的な心理療法です。

自律神経失調症

自律神経失調症も、ひとりになりたいと思う症状が出る病気のひとつです。自律神経失調症は、強いストレスが蓄積されることにより、自律神経のバランスが崩れる病気です。

症状

自律神経のバランスが崩れると、以下のような症状が現れます。

  • 涙が流れる
  • イライラする
  • めまい
  • 不眠
  • 倦怠感
  • ほてり
  • 便秘
  • 下痢
  • 頭痛
  • 動悸
  • 息切れ
  • しびれ

これらの症状により、日常生活にも支障をきたすケースがあります。しかし、どれだけ症状が重くても、内科や耳鼻科の検査では異常は検出されないこともあります。そのため、周囲に理解してもらえず、より辛いと感じてしまうケースがあります。

治療方法

自律神経失調症は、うつ病と同様に十分な休養と環境調整、薬物療法、心理療法の4つの方法で治療します。自律神経失調症は生活習慣に原因があるケースがよく見られるため、食事や睡眠、運動といった生活習慣の改善も治療のひとつとして施されます。

心理療法とは、心理的諸問題を抱える人の認知や行動、感情、身体感覚に変化を起こさせ、症状や問題行動を消去もしくは軽減することです。心理療法には、以下の療法があります。

  • 精神分析
  • 認知行動療法
  • EMDR

ほかにも、マッサージや温熱療法といった理学療法や、音楽療法なども存在します。患者の状態や、症状さえ取れればいいのか、根本的に治療したいのかといった、治療の方向性に対する希望を考慮したうえで適切な治療方法を組み合わせて行う場合があります。

社会不安障害

社会不安障害は、不安障害のひとつで「あがり症」とも呼ばれています。他人との会話や食事、周囲からの注目に対する強い不安感と、その状況からの回避症状が特徴です。周囲から悪い評価を受けることに対する恐怖が、不安を感じる背景となっていることがあります。

症状

社会不安障害になったときは、以下の状況下で不安や恐怖を感じることがあるようです。

  • 他人に自分を紹介される
  • 周囲から批判される
  • 注目される
  • 行動している様子を見られる
  • 人前で発言やスピーチをする
  • 権威のある立場の人に会う
  • 公の場で話す・電話をかける・飲食する・トイレに行くことを見られている

不安や恐怖を感じた場合は、以下の症状が現れると言われています。

  • 鼓動が高まる
  • 赤面する
  • 汗が止まらなくなる
  • 喉や口が渇く
  • 身体が震える
  • 筋肉が痙攣する

ただし、性格的に内気の場合、社会不安障害ではなくても社交に対する不安を持っているケースがあります。治療が必要な社会不安障害と、性格的に内気な場合の不安の程度には、明確な境界線はありません。上記の症状が表れたからといって、単純に社会不安障害とは判断できないため、注意が必要です。

治療方法

社会不安障害は、治療をしない場合でも、30%程度の人が数年後には症状がなくなると言われています。つまり、2/3以上の人は治療をしなければ、症状が続くことを示しています。

社会不安障害の治療は、薬物療法と心理療法を行うのが一般的です。薬物療法では、抗不安薬や心のバランスを整える薬が用いられることがあります。

心理療法で用いられるのは、一般的には認知行動療法と言われています。対人恐怖が発生する原因となる行動を実際にすこしずつ体験し、成功体験を積むことにより、心理的問題に対処します。

例えば、自分に悲観的でネガティブな意識が強い場合、周囲から注目を集める場面で強い不安を感じやすくなることがあります。これは、本人の気質として形成されているため、自分で矯正することは簡単ではないと言われています。

思考の歪みを矯正するとともに、不安を感じる状況を避けるのではなく、段階的に経験して成功体験を積む訓練を繰り返すことにより、不安を取り除きます。

ひとりになりたいと思ったときの4つのポイント

ひとりになりたいと思ったときの対策として、以下の4つが挙げられます。

  1. 十分な休息を取る
  2. 運動を習慣化する
  3. 自分の時間を作る
  4. 心の専門家に相談する

1〜3に関しては、自分だけでもできる対策です。自分だけで対策しても改善しない場合は、心の専門家のカウンセラーに相談するのもひとつの方法です。ここでは、それぞれの対策について解説します。

1.十分な休息を取る

ひとりになりたいと思ったときのポイントとして、十分な休息をとることが挙げられます。脳に溜まったストレスを解消するには、睡眠が欠かせません。睡眠時間が6時間以下の生活が続いた場合、脳に十分な休息がなく、うつ病をはじめとした疾患を発症するリスクが2.4倍になると言われています。

7時間以上の睡眠時間を確保することを心がければ、心身にとって十分な休息となり、スッキリした状態で生活できると言われています。睡眠時間を確保するためにも、早寝の習慣をつけると良いかもしれません。

2.運動を習慣化する

2つ目のポイントは、運動を習慣化することです。ウォーキングやジョギングといった軽い運動で心拍数を上げれば、自律神経が安定すると言われています。外に出て、公園のような開放感のある場所で運動すれば、パーソナルスペースによるストレスも軽減され、リフレッシュできるかもしれません。

外での運動が難しい場合は、スクワットや昇降運動などの、室内でもできる運動をするだけでも、自律神経の安定につながるかもしれません。

3.自分の時間を作る

3つ目のポイントは、自分の時間を作ることです。会社や家庭で「ひとりでいる時間」が減ったことがストレスとなるケースがあります。精神的に緊張状態が続いた場合、心が休まらずにストレスが蓄積されることがあります。

部署異動をはじめとした仕事での環境の変化や、仕事や家事、育児に追われている場合は、休む時間が確保できないかもしれません。しかし、忙しいときこそ自分の時間をつくり、リフレッシュすることが大切です。

週末の1日や半日といったまとまった時間が確保できなくても構いません。15分や30分の短い時間でも、仕事帰りに散歩したり、カフェに寄ったりといった「ひとりの時間」をつくることにより、気分が切り替えられる場合もあります。緑豊かな景色や夜景、海を観たり、小鳥のさえずりを聴いたりするだけでも心が落ち着き、リフレッシュにつながるかもしれません。

また、ストレスが蓄積された人の特徴に、元々趣味を持っていなかったり、趣味ができなくなったことが挙げられます。特に、趣味を持っている人がその時間をとれなくなった場合、ストレスを強く感じやすくなるそうです。

趣味の時間は、気分がリフレッシュできるだけでなく、自己肯定感の向上にもつながるといわれています。趣味ができていない人は、趣味の時間確保を意識するのもひとつの方法です。

4.心の専門家であるカウンセラーに相談する

4つ目のポイントは、心の専門家であるカウンセラーに相談することです。ストレスが蓄積された場合、前述した対策を実行しても症状が改善しない場合や、自分で対処できないトラブルを抱えている場合があるかもしれません。

ストレスの原因がひとりで解決できるレベルではない場合、そのままにした結果、症状が悪化してしまうことも考えられます。ひとりで解決するのが難しい場合は、信頼できる人に相談するのもひとつの方法です。

カウンセラーなどの心の専門家に相談することにより、心が軽くなるヒントが見つかるかもしれません。

ひとりになりたいと感じたらカウンセラーに相談してみよう!

ひとりになりたいと感じる主なタイミングには、仕事や子育てに追われて疲れている場合や、ミスをしてしまったとき、誰かと喧嘩をしてしまったときが考えられます。

「ひとりになりたい」という気持ちを持つこと自体は自然なことです。心理学では「親和回避欲求」と言われています。親和回避欲求は、自分の感情をコントロールできなくなったときに発生する感情です。

親和回避欲求が生じるのは、疲れている場合や悩んでいる場合だけではなく、環境による影響や、心の病気による症状の場合も考えられます。急にひとりになりたいと思った場合、うつ病や自律神経失調症、社会不安障害といった病気の初期症状が表れていることも考えられます。

ひとりになりたいと思ったときは、十分な休息や軽い運動、自分の時間をつくるといった対策により症状の改善につながるかもしれません。しかし、自分だけで対策しても改善しないことや、自分ではどうにもできないケースもあるかもしれません。

決してひとりで抱え込まず、カウンセラーに相談するのもひとつの方法です。

仙台女性カウンセリングサロン
「GARDEN」へのアクセス

JR仙台駅から徒歩4分、地下鉄仙台駅から徒歩1分、近隣には大きなコインパーキングのある場所にカウンセリングサロンがございます。どなたでもお気軽にご利用いただけるように「出張カウンセリング」もご用意しております。

営業時間
10:00~13:00××
13:00~18:00×