仕事の忙しさや、プライベートの人間関係、将来のための勉強など、現代人にとって日々考えることは多く、常に頭をはたらかせていることも珍しくありません。
そのようなとき、さまざまな悩みや不安を解決しなくてはならないことで頭がいっぱいになり「もう少し、考えや気持ちを整理できていたら」と思うこともあるかもしれません。
そして、いつも穏やかでいたいというのは、誰もが願っていることではないでしょうか。
今回は、気持ちの整理ができない原因や、整理するための対処法を解説します。
気持ちの整理とは?
「気持ちを整理する」とは自分の考えていることや思っていること、気持ちの存在を認めることです。気持ちを整理する必要があるとき、気持ちは混乱している状態ではないでしょうか。
うまく考えがまとまらない、判断できないと感じるときは、まずは気持ちが混乱している原因を知ることが大切です。その原因を解決すれば気持ちも落ち着き、少しずつ気持ちの整理もできる可能性があります。
しかし、混乱している状態では、それほど冷静に考えられない可能性もあります。ではその前の段階、どのようなときに気持ちの整理ができないのか考えてみると、何かヒントが得られるかもしれません。
気持ちの整理ができないときの例
気持ちの整理ができないときは、突然思いもしないことが起こったときや、考えることが多すぎて頭がパンクしそうなときなどです。
ここでは、気持ちの整理ができないのはどのようなことが起こったときなのか、3つのケースについて紹介します。
仕事で失敗したとき
仕事では失敗せずこなすことが求められるものです。周囲に迷惑がかかってしまうことも多いため、仕事で失敗したときは、混乱しても仕方ありません。
自分が失敗したせいで周囲に迷惑をかけた場合、失敗やミスを指摘されたり叱責されたりすることで自分を否定されたように感じ、悔しさや悲しい感情が湧き上がってくるため、頭も心もいっぱいになってしまいます。
「次は頑張ればいい」と頭ではわかっていても、やはりうまく気持ちは整理できないかもしれません。
恋愛でうまく行かなかったとき
恋愛では、相手のことが好きなほど、うまくいかないときや別れてしまったときの喪失感で、気持ちの整理ができなくなります。何か別のことを考えようとしてもすぐに思い出してしまうほど、頭の中が喪失感でいっぱいになるためです。
「きちんと話せば、また元に戻れるかも」「相手も本当は別れたくないはずだ」などと考えても、本当のことはわかりません。
まさにどうすればいいのかわからない、事実と感情が入り乱れた状態です。気持ちの整理ができずにいても、無理もないといえます。
忙しくて余裕がないとき
仕事やプライベートでとにかく忙しいときは、その場面ごとに次々と考え、判断することの繰り返しです。
こなしていることを1つずつ、「あれでよかったのかな」などと考える余裕はありません。学生なら勉強と部活、家庭があれば家事と育児、仕事での忙しさもあり得ます。
このような忙しさの中で、さらに突発的なことが起これば、いよいよ頭が混乱するのも仕方ありません。
自分の気持ちを整理する10の方法
頭が混乱し、自分でもどうすればいいかわからなくなったときこそ、自分の気持ちを整理することが大切です。しかし、状況によって、整理する方法は異なります。できればさまざまな場面で使えそうな方法をいくつか知っておきたいものです。
ここでは、自分の気持ちを整理するための10の方法を紹介します。
1.思いっきり泣いてみる
気持ちがうまく整理できないのは、今抱えている悲しみやつらさ、悔しさといった感情が、頭の中に強く残っているからかもしれません。このような感情をとにかく外に出すために、思い切り泣いてみるという方法があります。
思い切り泣くと、ネガティブな気持ちも涙と一緒に出ていってしまうことも多いようです。思いっきり泣くことでスッキリでき、気持ちも少し余裕が生まれやすくなり、うまく気持ちを整理するための準備を整えられます。
2.ストレスから離れる
もし、気持ちが整理できない原因となるストレスがわかっているなら、とにかくストレスから離れるのもおすすめできる方法です。これは物理的に距離を置くことはもちろん、気持ちの上でも距離を置く必要もあります。
ストレスの近くにいれば、嫌でも目に入り、意識してしまうためです。仕事上のストレスなら休暇を取る、恋愛や人間関係であれば日常から離れるために旅行するという方法もあります。
とくにいつもの日常とは異なる環境にいれば、自然にいつもとは違うことを感じ始められるでしょう。
3.自分の気持ちを書き出す
気持ちが整理できないのは、考えや感情を「頭の中だけに閉じ込めたまま」でいるからかもしれません。もしそう感じたら、頭の中にある自分の気持ちを紙に書き出して、可視化させるのも気持ちを整理する方法の一つです。
気持ちに余裕がないときは、同じことを堂々巡りのように考え続けているだけで、時間が過ぎていくこともあります。
自分の気持ちを書き出す際に使うのは紙とペン、あるいはノートやスマホやパソコンでも、とにかく目に見える形にすることが大切です。
4.事実だけに目を向ける
あれこれ忙しく考えているとき、頭に浮かんでいるのは事実より「〇〇かもしれない」「〇〇ならどうしよう」といった、仮説や可能性の方が多くを占めているかもしれません。そのようなときは、まずしっかり事実だけに目を向けましょう。
仮説や可能性は、あくまで可能性であって事実とは限りません。むしろ事実や現実への理解を難しくし、事態を複雑にしてしまうものだといえます。
気持ちを整理するには、まずは仮説や可能性をいったん脇に置いて、事実だけに目を向けてみることが大切です。
5.未来への行動を具体的に考える
もし、気持ちを整理できない理由が過去の経験なら、それを踏まえてこれから未来に向けてどのように行動するかを具体的に考えると、考えをまとめやすくなるかもしれません。
過去に起きてしまったことを変えることはできませんが、未来なら自分のやり方次第でどのようにでも変えることができます。
過去のつらさや悔しさ、恥ずかしさを一度考えから外して、だからこそこれからどうしたいのか、具体的に考えることが重要です。
6.好きなことに没頭する
頭が混乱してしまっているなら、いったん考えるのをやめて好きなことに没頭してみると、気持ちを変えられる可能性があります。
混乱している状態で気持ちを整理しようとしても、思うような答えはなかなか出てこないものです。
好きなことに没頭すれば、頭の中のごちゃごちゃから解放されリフレッシュできます。リフレッシュした頭であらためて考えてみると、うまく整理できるかもしれません。
7.リラックスする
常に忙しくストレスに耐え続ける環境では、うまく気持ちを整理できなくても仕方ありません。
慌ただしく混乱した頭の中をリセットするには、意図して時間を作り、アロマキャンドルを焚く、公園をゆったり散歩する、天気がよければベランダで日光浴をするなど、気持ちを楽に、リラックスする必要があります。
リラックスすると考え続けていた頭が冷静になり、もしかするとよいアイデアが浮かぶかもしれません。
8.デジタルデトックスを行う
頭の中が混乱する原因の1つには、入ってくる情報の多さがあります。昔は新聞やラジオ、人づてでしか入ってこなかった情報が、今では24時間いつでも、新聞、ラジオはもちろんテレビやWebサイト、SNSなど数えきれないほどの情報源から入ってきます。
気持ちを整理するには、デジタル機器からの情報を断つ「デジタルデトックス」がおすすめです。時間さえあればいつもスマホをチェックしているような方には、とくに効果が期待できます。
情報は多ければよいというわけではなく、適切なものを選んで収集することが大切です。
9.信頼できる人に相談する
なかなかうまく気持ちを整理できないときは、信頼できる人に相談するという方法もあります。混乱したまま考えてもうまくまとまらなかったり、ネガティブな気持ちばかりが浮かんだりと、かえって落ち着かなくなるかもしれません。
第三者に対して考えを言葉にすれば、思いもしなかった視点を知れたり、自分の言葉そのものに触れて新たな考えに至ったりする場合もあり得ます。
1人だけで答えを出すだけが、解決ではありません。困ったときは、周囲の人を頼ることも忘れずにいたいものです。
10.カウンセリングを受ける
心に抱えた課題を改善するために、受けられるカウンセリングがあります。カウンセラーは、頭の中がうまく整理できない、いつも気持ちが落ち着かないといったことを相談できる心の専門家です。
カウンセリング前に心理診断を受け、その結果によって適切なカウンセラーを選んでくれるサービスもあります。
サービスによって内容はさまざまのため、自分に合った相談ができるサービスを選ぶ必要があります。
気持ちの整理ができないときのNG行動
さまざまな方法で気持ちを整理しようとしたけれど、うまく行かないこともあるでしょう。だからといって、一時的な感情に流されてしまわないよう、注意したいものです。
ここでは気持ちの整理ができないときにありがちな、NG行動を解説します。
自暴自棄になる
気持ちの整理がつかないことは、誰にでも起こり得ることです。うまく整理できないからといって、自分自身を否定したり自暴自棄になったりすることはおすすめしません。
気持ちがうまく整理できないと、考えはいつもよりネガティブになりがちです。しかし、自分を責めてしまうと、それがさらに気持ちを複雑にし、整理しづらくなってしまいます。気持ちがモヤモヤし、整理できないときに、何もかも投げ出したくなる場合には要注意です。
アルコールに頼る
気持ちが整理できないときに限らず、日頃からイライラしたりモヤモヤしたりすると、アルコールで紛らわそうとすることがあります。
アルコールを飲んでいるときは、気持ちはスッキリするかもしれませんが、酔いがさめれば現状は何も変わっていません。
アルコールに頼ることが習慣化してしまうと次第にお酒の量が増え、周囲に迷惑をかけてしまうことも考えられます。そのせいでかえって事態を複雑にし、気持ちが整理できなくなることも十分ありえるでしょう。
思うようにいかないことがあっても、アルコールに頼るのはできるだけ避けるのが無難です。
八つ当たりをする
気持ちが整理できないと、いつもよりイライラしやすくなることがあるかもしれません。そのイライラは、気づかないうちに周囲への八つ当たりになってしまうことがあるため注意が必要です。
人やモノに八つ当たりしてしまうと、周囲からの印象や人間関係が悪化する可能性もあります。場合によっては損害賠償を求められたり、人を傷つけてしまったりすることもないとはいえません。気持ちの整理がつかないときこそ、周囲への配慮が必要なのです。
気持ちの整理ができないときは誰かに相談してみよう!
私たちは毎日、さまざまなストレスにさらされています。いろいろなことが続いてうまくいかなければ、自分の気持ちや考えもうまく整理できなくなりがちです。
そのようになっても、情報のインプットを減らしたり、リラックスする時間を作ったりなど改善するための方法はあります。
しかし、どうしても気持ちが整理できなければ、心の専門家であるカウンセラーに相談してみるのもおすすめです。
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