モラハラする人の心理とは?特徴や原因から被害者の対処法まで詳しく解説

モラハラする人の心理とは?特徴や原因から被害者の対処法まで詳しく解説|GARDEN

モラハラは、人間関係の中で起こるハラスメントの1つです。そのため発生するのは夫婦や彼氏と彼女といった男女間だけとは限らず、同性の先輩と後輩や勤務先の上司と部下の間でも起こり得ます。

モラハラをする人の心理は、される側から見ると理解できないかもしれません。しかし、モラハラの特徴や原因への理解は、現状を打開するヒントとなる可能性があります。まずは、現状を客観的に把握することが大切です。

この記事ではモラハラをする人の心理とその特徴、原因への理解を深め、モラハラを受けている方に対して適切な対処の例を解説します。

モラハラとは?

モラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントを略した言葉です。ハラスメントは「嫌がらせ」や「いじめ」、モラルは「道徳」や「倫理観」を指しています。そのため、モラハラとは相手の失敗や誤りを過剰に責め、やがては倫理観に反して嫌がらせをすることにつながり、人格や尊厳を言葉で傷つける行為をいいます。

物理的な暴力ではないものの、精神的に受けた傷はやがて身体的な不調に及ぶ場合もあります。また目に見えるケガや傷がないことから、なかなか表面化しにくいという特徴もあります。

パワハラとは似ている点もありますが、異なるのは加害者と被害者の立場や関係です。パワハラは加害者が地位や立場の優位性を利用して、自分より立場が低い人に精神的苦痛を与えますが、モラハラは夫婦や彼氏・彼女といった本来対等な関係でも発生します。

そのうえモラハラは、加害者はもちろん被害者や周囲の人たちまでもが、モラハラであると認識しにくい特徴を持つハラスメントです。閉じられた家庭内で発生すると、その環境で育った子どもの心理面に大きく影響し、さらにその子どもにまで影響する場合もあります。

このような負の連鎖を断つには、まずモラハラをしている本人がモラハラであると気づくことが大切です。しかし、自分がモラハラをしてしまっていないか、またはモラハラで傷ついていないかと考えること自体、簡単ではありません。まずは、客観的な行動や傾向を冷静に見つめ直すことで気がつける場合があります。

モラハラをする人の特徴

モラハラをする人の特徴

モラハラをする人には、行動や傾向に一定の特徴があります。モラハラにあたるかどうか判断できない時は、次のような行動や考え方の傾向がないか考えてみるのもひとつの手段です。

無視をする

モラハラをする人は、無視をすることで相手を不安に陥れます。場合によっては、無視が数日間から数週間、それ以上に渡る場合もあるようです。

訳もわからず無視された相手は、「なにか間違ったことをしてしまったかもしれない」などと自分を責めてしまうこともあります。また理由を直接尋ねても、「そんなこともわからないのか」などとさらに追い込まれてしまうことも少なくありません。

自分に甘く人に厳しい

モラハラをする人は、自分に甘く人に厳しい場合があるようです。たとえば、自分にも少なからず非があるミスでも「あなたのせいでこうなった」「自分はただ従っただけだ」と、責任を相手になすりつける傾向があります。

また他人はだめでも自分は許されるなど、矛盾のある考え方や行動がみられることも、自分に甘い人といえるでしょう。

相手の人格を否定する

モラハラをする人は小さな失敗も見逃さずに責め、最終的には相手の人格さえ否定するような暴言を吐いて追い詰めようとしてしまうことがあります。

「こんなこともわからないの?」など相手の理解力や知識の不足を責めたり、相手の人格そのものを否定したりするような「これだから君(あなた)はだめなんだ」といった言葉はその代表例です。

さらに「あなたのためを思っていっているのだ」などと言うようなら、もはやモラハラの自覚もないかもしれません。

相手を見下す

モラハラをする人は、プライドの高い人が多いといわれています。高い学歴があり収入も多いと、自分は他の人より優秀だといった意識を持ってしまうからかもしれません。

そのような人は、なにかちょっとした要求が通らないだけで機嫌を損ね、「こんなこともわからないの?」など相手を見下すような発言をしてしまうことがあります。

また、一度機嫌を損ねると、話し合おうとしても対等な会話は期待できません。相手を見下して、「自分は正しく相手が間違っている」という姿勢を崩さないためです。このまま長期間無視をして、相手を精神的に追い詰めようとすることもあります。

他人の間違いに厳しい

モラハラをする人は、日頃からなにかにつけて「自分が優位に立てる理由」を探す傾向があります。そのため他人のちょっとした間違いも目ざとく見つけ、あたかも大きな誤りのように言いふらすことも少なくありません。

部屋が散らかっている、仕事で作成した書類に誤字があるといったミスに対して延々と責め、皮肉や嫌みが続くなら、それはこちらのことを思っての行動とは思えないでしょう。ただ、ミスを責めたいだけだと感じられても仕方がありません。

二面性がある

モラハラをしてくる相手がいつも自分を責めるばかりなら、すぐにでも距離を置こうと考える場合もあります。

しかし、なかにはときどき優しかったり、外面的に評価が高かったりする人だと「本当はいい人だから」と考えてしまい、「自分にもよくないところがあったのかもしれない」と思い込んでも仕方ないかもしれません。

そのような時は、その人に二面性がある可能性を考えてみるのもひとつの手段です。どれほど周囲の評価が高くても、こちらに対する暴言で傷ついているならなんとかして暴言をやめてもらう必要があります。大切なのは、こちらが傷ついているかどうかです。

束縛が激しい

嫉妬深く、常に自分の管理下に置きたがるのもモラハラをする人の特徴のひとつです。次のような言葉を耳にすることがあれば、この特徴があてはまるかもしれません。

  • 今までどこで、なにをしていたのか
  • 私に言わずになぜ勝手にしたのか
  • (共通の知人や友人のことを)あの人は〇〇だから近づかないほうがいい

とくに雑談などで、異性の話題になると急に態度を変える場合は束縛が強いといえます。そのために窮屈な思いをしたり、友だちが減ってしまったりしていないか、冷静に考えてみると良いかもしれません。

モラハラをする人の主な2つの原因

モラハラをする人の主な2つの原因

モラハラをする人は、なにかしら心に暗い気持ちを抱えていることがあります。たとえば、優秀な人と自分を比べて過剰な劣等感を抱えていたり、自信を失っていたりなどです。

この暗い気持ちに耐えきれず、自分より弱い部下や配偶者などに嫌がらせをして、自分が優位に立つことでかろうじて自尊心を保とうとします。

とはいえ、この暗い気持ちにもなにかしら原因があるはずです。ここでは、モラハラをする人の主な原因を2つ解説します。

1.幼少期の家庭環境

幼少期の家庭環境は、大人になってから自身の考え方に大きく影響する場合があります。幼少期に親やきょうだいから毎日のように嫌がらせを受けたり、なにかにつけて干渉され自分の意見を言えなかったりすると、自分の価値を認められなくなる場合があります。

自分の価値を認められずに自信をなくしているため、さらに自尊心が傷つかないよう相手を責め、自分より立場を下に見ることでなんとか自己肯定感を保っているという状態です。

また日常的に暴力を受け、ネグレクト(育児放棄)された状態が続くと、常に周りの人の顔色をうかがい、劣等感を抱く場合が多いといわれています。愛情を知らずに育ったため心を開けず、人を愛するにはどうすれば良いかわからないこともあるようです。

2.ストレス

モラハラの原因が、毎日の生活の中で受ける強いストレスという場合もあります。仕事や人間関係、経済的な困難やさまざまなプレッシャーなどストレスの原因は多種多様です。

「仕事で高い評価を得なければ」「取引先との関係がうまくいかない」「家族の中に問題を抱えている」などはほんの一例ですが、ストレスが蓄積されるとなんらかのはけ口が必要になってきます。そのはけ口として、モラハラをしてしまっているのかもしれません。

しかし、モラハラはあってはならないハラスメントです。優しすぎて言い返せない、または自分を責める傾向があるからといって被害者が悪いことにはなりません。

モラハラをする人の心理とは?

モラハラをする人の心理とは?

モラハラの被害を受けている人にとって、モラハラする人がなぜモラハラをするのかを受け入れるのは、決して簡単なことないかもしれません。しかし、モラハラをする人の心理を一部でも理解すると、モラハラの言動の受け止め方も変わる可能性があります。

ここでは、モラハラをする人の心理について解説します。

自分が優位な立場を保っていたい

モラハラをする人は、信念を持っているからこそ相手を容赦なく攻撃し威圧しているように見えますが、実はまったく逆の場合も多いようです。

モラハラをする人は自信がないからこそ誰かを言葉や態度で攻撃し、自分が優位な立場であることを実感したいと思う傾向にあります。

そのため、モラハラをする人ほど自分より優位にある人、たとえば上司や親などの前では口をつぐみ、萎縮してしまうことがあります。

自分が受けた被害を相手にも与えたい

モラハラをする人には、過去に自身がモラハラ被害を経験している場合もあります。たとえば親や上司からモラハラされていた、またはモラハラの現場を目の当たりにしていたなどのケースです。モラハラは自分に対するものでなくても、見聞きするだけで傷つく場合もあります。

その傷があまりに大きいとその痛みに耐えかね、自分が受けた傷を誰かにも与えたいという心理が働くこともあります。そうすることで、自分の痛みをひとときでも和らげようとするためです。

相手を支配したい

モラハラをする人は被害者に対して、「自分1人では、なにもできないな」「そんなことでは恥ずかしい」「みんなから馬鹿にされてしまうよ」などの暴言を吐いてしまうことがありますが、これは相手に対して自分が「特別な存在」だと実感させようという意図が出てしまっているのかもしれません。

被害者に罪悪感や羞恥心を抱かせることで、自分だけを頼るよう仕向ける、つまり相手を支配したい気持ちの表れです。逆にいえば、その人を失ってしまわないか強く恐れているともいえます。

褒められたい・構ってほしい

モラハラによって、自分に注目させたいという心理が働いている場合もあります。

たとえば、モラハラの人が同僚に対して仕事のミスを指摘する際、自分がミスを発見した、自分にはミスを発見する能力がある、自分に能力があることを評価してほしいという心理の現れともとらえられる場合があります。

よりシンプルに、「自分に注目してほしい」「もっと構ってほしい」と意図している場合もあります。

構ってもらえることを「評価されている」「ここにいてほしいと思われている」と考えているならば、かけがえのない自信や自己肯定感として重要視してしまうこともあるかもしれません。

モラハラされた時の4つの対処法

モラハラされた時の4つの対処法

モラハラは、当事者さえ気づかずかないことがあるため、被害者もただ「仕方がない」「我慢するしかない」と半ば諦めてしまっている場合もあります。

しかし、モラハラは人間の尊厳を大きく傷つける行為のため、対処する必要があります。本章では、モラハラされた時に4つの対処法を解説します。

1.感じていることを伝える

モラハラをする人は、それらの言動が「良いこと」だと考えている傾向があるため、相手がどれほど傷つき苦しんでいるかがわからないこと場合があります。そのような時は、今感じていることをわかりやすく、正直に伝えてみるのもひとつの手段です。

黙って我慢しているだけだと、モラハラはエスカレートしてしまう可能性があります。大切なのは、言いなりのままでいないことです。

「そんなふうにいわれると苦しい」「とても傷ついた」「嫌な気持ちになった」など、自分の言葉で感じたことを伝えれば、相手も気がついてモラハラをしなくなるかもしれません。

2.加害者と距離を取る

モラハラをする人、つまり加害者から物理的にも精神的にも、距離を取るのも対処法の1つです。

暴言で傷つくだけでなく、一緒にいるだけで気が重くなったり不安になったりしていたのでは、安心して暮らせません。

自分を冷静に振り返り、今後のことをゆっくりと落ち着いて考えるためにも、加害者とは距離を取ることも対処法のひとつです。

3.証拠を記録する

モラハラは、弁護士に相談して法的に訴えられる行為です。ただその場合、モラハラの実態の証拠としてモラハラの事実や被害状況を詳しく伝える必要があります。

モラハラで苦しいと感じたら、すぐにモラハラについて記録しておきます。それまでにあった言動や被害、どう感じたかなどできるだけ詳しく記録することが大切です。

記録には、モラハラを誰から、いつ(年月日)、どこで受けたかを詳しい内容とモラハラにいたった経緯、当時の心情や現在の心身への影響などをありのまま記載します。

法的手段を取る時に使うことができますが、場合によっては「証拠がある」だけで、加害者の態度が変わる可能性もあるかもしれません。

4.第三者に相談する

モラハラする人と被害者だけの話し合いでは、これまでと同じように責められるだけでなにも解決しない、または自分が否定されたと感じて逆上し、暴力に訴える可能性もあります。

そのような心配がある時は、第三者に相談するのも有効な対処法です。2人だけで話し合うより、第三者に立ち会ってもらえれば、冷静に話し合える可能性が高まります。

共通の友人に頼めるなら、第三者として間に入ってもらうのも良いかもしれません。すでに法的手段を考えているなら弁護士に相談し、話し合いに立ち会ってもらったり、代理人として交渉してもらったりもすることもできます。

モラハラを受けたら1人で抱え込まずに誰かに相談しよう!

モラハラを受けたら1人で抱え込まずに誰かに相談しよう!

モラハラは、夫婦や上司と部下、先輩と後輩、彼氏と彼女というある程度閉じられた関係の中で発生しやすい、人間の尊厳を大きく傷つける行為です。しかし、閉じられた関係のため、モラハラであることさえ認識できないこともあります。

そのため、解決するにはモラハラであることに気づくことが第一歩になります。気づいたら、モラハラをしてしまう原因や心理的な傾向に配慮しつつも、1人で抱え込まず第三者などに相談することもひとつの方法です。

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