ストレスで眠くなる原因とは?眠いときの対処法と考えられる病気を解説

ストレスで眠くなる原因とは?眠いときの対処法と考えられる病気を解説|GARDEN

いつも眠気に襲われ、体調が優れないと感じる人もいるかもしれません。慢性的な寝不足でない場合、その眠気はストレスが原因であることが考えられます。また、寝不足以外の理由で眠気の症状が出る時は、何かしらの病気を発症しているサインかもしれません。

その状態を放置すると、症状がさらに悪化して日常生活に支障をきたす場合もあります。症状を悪化させないためには、眠気の原因を明確にして対処することが必要かもしれません。今回は、ストレスで眠くなる原因や対処法、考えられる病気について解説します。

急に眠くなるのはストレスのせい?ストレスと睡眠の関係

急に眠くなるのはストレスのせい?ストレスと睡眠の関係

慢性的な寝不足でないにもかかわらず、眠気に襲われるのはストレスが原因である場合があります。ストレスが睡眠に影響を与えるのは、自律神経が関係していると言われています。自律神経とは、体温や代謝などの機能を調整してくれる神経のことです。

私たちの意思とは関係なく、自律神経は自律的に機能しています。自律神経には、体の機能を活発化させる「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」があります。通常、日中は交感神経が働き、夕方から夜にかけて副交感神経が優位になると言われています。

しかし、過度なストレスが溜まると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまう場合があります。夜にかけて交感神経から副交感神経にうまく切り替えられず、夜中に何度も目を覚ましたり朝起きたら寝た気がしなかったりなど、睡眠の質に影響を与える場合があります。睡眠の質が悪いと深い眠りにつけず、日中に眠くなる場合があります。

ストレスで眠くなる主な原因

ストレスが睡眠に影響を与える原因は、自律神経だけではないようです。ストレスで眠くなる主な原因には、次のようなことが考えられます。

  • 睡眠バランスの乱れ
  • ホルモンによる影響
  • ストレス性疲労の蓄積
  • 心の病気

それぞれの原因について詳しく解説します。

睡眠バランスの乱れ

眠気に襲われる原因がストレスである場合、睡眠バランスが崩れていることが考えられます。私たちは日常でストレスを受けると、自然な眠りを誘うメラトニンが分泌されます。通常は、朝に光を浴びると分泌が止まり、夜にかけて徐々にメラトニンの分泌が高まります。

通常は夜間に多く分泌されるメラトニンですが、過度なストレスを受けると体内時計が乱れ、昼間にメラトニンが分泌されることがあります。一方、夜間はメラトニンが分泌されず、睡眠の質に影響が出てしまう場合があるようです。本来であれば睡眠で解消されるはずの疲労が翌日に残ってしまい、日中に強い眠気に襲われることがあります。

ホルモンによる影響

女性が日中に眠くなるのは、月経や妊娠、出産を通して乱れる女性ホルモンの影響が考えられます。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。妊娠に備えて体を調整する役割があるプロゲステロンが多く分泌される月経前や妊娠中は、日中の眠気が起こりやすいようです。

プロゲステロンの分泌量が増えることで眠気が起こりやすいのは、妊娠に備えて体を休ませる作用が強く働くためです。また、プロゲステロンが多く分泌される黄体期は、寝つきが悪くなる時期でもあるようです。本来は体温を下げながら眠る体制に入りますが、黄体期は基礎体温が高くなります。その結果、「眠いのに眠れない」といった状況に陥るようです。

ストレス性疲労の蓄積

ストレスで眠くなる原因として、疲労の蓄積が考えられます。私たちが心身の疲労を回復するには、良質な睡眠を取ることが求められます。しかし、ストレスや疲労による精神疲労が、不眠の原因になることがあるようです。なかなか寝付けない「入眠困難」や何度も途中で目が覚める「中間覚醒」、早くに目が覚める「早期覚醒」などを引き起こす場合があります。

また、温度や寝具など寝室の環境、スマホやパソコンなどの音や光による刺激がストレスとなり、寝つけなくなることもあるようです。眠れない時は気を紛らわすために、カフェインを含む飲食や飲酒、喫煙に手が伸びることもあるかもしれません。これらの行動は、体の機能を活発化させる交感神経を刺激することにつながり、余計に眠れなくなる場合があります。

心の病気

ストレスで眠くなる原因に、うつ病や自律神経失調症などの病気を発症していることが考えられます。これらの病気を発症すると、睡眠のバランスが崩れて夜に眠れなくなることがあります。特に、日中の眠気はうつ病によく見られる症状のひとつです。うつ病になるのは主にストレスが原因だと言われますが、発症すると眠くなるといった防衛本能が働く場合があります。

防衛本能が働くのは、ストレスを感じさせる場所から逃れるためだと言われています。自律神経失調症は、不規則な生活習慣やストレスなどで自律神経が乱れるために起こる体の不調です。自律神経失調症になると自律神経が不安定になり、寝つきが悪いなど睡眠の質に影響が出る場合があります。睡眠の質が低下して熟睡感を得られず、日中に眠くなることがあるようです。

ストレスで眠くならないための3つのポイント

ストレスで眠くならないためのポイントには、次のようなものが挙げられます。

  • ストレスを解消する
  • 生活習慣を見直す
  • 朝日を浴びる

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

1.ストレスを解消する

日中に眠くなる根本的な原因を解消するには、ストレスを発散させるのが有効とされています。たとえば、家族や友人、配偶者など親しい人と話をしてストレスを解消する方法があります。親しい人に少し話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になり、ストレス解消につながるかもしれません。

ストレスの原因になる仕事や人間関係などの悩みを抱えている場合は、信頼できる相手に相談するのもひとつの方法です。直接的な解決策は見つからない場合もありますが、つらい気持ちを他人と共有するだけで気持ちが楽になることがあります。

周りに心配や迷惑をかけたくないと感じる場合は、カウンセリングを利用するのもひとつの選択です。第三者だからこそ話せることもあるため、カウンセラーとの対話を通して、自分が感じている感情を整理するのが良いかもしれません。ほかにも、好きな趣味や仕事に没頭したり適度な運動を取り入れたりなど、さまざまなストレス解消法があります。

2.生活習慣を見直す

睡眠の質を高めたい場合は、生活習慣を見直して規則正しい生活をするのが有効とされています。過度なストレスがあると自律神経が乱れてしまい、日によって起床時間や就寝時間が変わるなど、不規則な生活リズムになることがあります。このような状態を放置すると、体内時計が後ろにずれてしまい、不規則な生活から抜け出せなくなる場合があります。

生活習慣を整えるには、できる限り起床時間や就寝時間を一定に保つことが求められます。はじめのうちは予定通りにいかない場合もありますが、意識的に続けることで体内時計を整えられるようです。また、日常生活に運動を取り入れるのも有効です。たとえば、ウォーキングやストレッチは体に負担がかかりづらく、継続的に取り組みやすいと言われています。

3.朝日を浴びる

日中に眠くならない対策として、朝日を浴びる方法があります。ストレスが原因で自律神経が乱れ、不規則な生活を送る人もいるかもしれません。不規則な生活が続くと次第に体内時計が崩れ、「眠りたいのに眠れない」といった不眠につながる場合もあります。乱れた体内時計を整えるには、起きたときに朝日を浴びるのが有効だと言われています。

朝日を浴びると、自然な眠りを誘うメラトニンの原料となるセロトニンが分泌されるようです。日中に蓄えたセロトニンが多いほど、夜に分泌されるメラトニンが増えると言われています。メラトニンの分泌量が増えると寝つきが良くなり、深い睡眠が取れるようになるようです。

ストレスが原因で眠くなる時に考えられる病気

ストレスが原因で眠くなる時に考えられる病気

ストレスが原因で日中に眠気に襲われる場合、その裏には何かしらの病気が隠れている場合があります。考えられる病気には、次のようなものが挙げられます。

  • 睡眠障害
  • うつ病
  • 自律神経失調症
  • ナルコレプシー

それぞれの病気について詳しく解説します。

睡眠障害

睡眠障害は、不眠症や過眠症、睡眠時随伴症など睡眠に障害が現れる病気のことです。不眠症は寝付けなかったり途中で目が覚めたりなど、症状が慢性的に続く特徴があります。不眠症になる原因は、ストレスや生活習慣、体の病気などが考えられます。不眠症を放置すると、うつ病や統合失調症など精神疾患を発症することがあるようです。

突発性過眠症や睡眠不足症候群などが含まれる過眠症は、日中に強い眠気を感じる病気です。突発性過眠症を発症する明確な原因は定かではありませんが、睡眠不足症候群は慢性的な睡眠不足により起こる場合があると言われています。

睡眠時随伴症は、悪夢を見たり寝ながら歩いたりなど睡眠中に異常な行動が見られる症状のことです。夜驚症や夢遊病も睡眠時随伴症のひとつと言われています。睡眠時随伴症を発症する原因は、ストレスや疲労などが考えられます。睡眠障害の治療方法は、不眠症や過眠症、睡眠時随伴症など病気によって変わるようです。

うつ病

うつ病は、気分や感情をうまく調節できなくなり、心身の不調をきたす気分障害のことです。私たちには自然治癒力が備わっており、日常で不快な出来事が起きても時間の経過とともに少しずつ回復していきます。しかし、脳のエネルギーが欠乏した状態の場合、時間をかけても回復しないことがあります。日常生活での支障が大きくなると、仕事や家事など社会的機能がうまく働かなくなることもあるようです。

うつ病になるとさまざまな症状が出ますが、ほとんどのケースで「寝つきが悪い」「途中で目が覚める」「早く目がさめる」といった睡眠障害が現れると言われています。眠りが浅いため熟睡感を得られず、疲労感の蓄積や朝起きた時の倦怠感につながる場合もあるようです。眠れない日が続くと、日中に激しい眠気に襲われることもあります。

うつ病の治療には、休養や薬物療法、心理療法が有効だと言われています。休養は、エネルギーが欠乏した脳をしっかり休ませることが治療の基本になるようです。症状の程度にもよりますが、残業を減らしたり一定の期間仕事から離れたりすることが挙げられます。休養で改善が見られない場合は、症状を緩和するために薬物療法がおこなわれることがあります。

代表的な薬は、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などがあるようです。中心となる薬は抗うつ薬で、抑うつ症状や不安感、緊張などの症状を緩和する効果があると言われています。心理療法は、経験豊富なカウンセラーの指導のもと、うつ病をゆっくりと克服する治療法です。体への負担がかかりづらく、自分のペースでうつ病に向き合える特徴があります。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、過剰なストレスで自律神経が正常に機能せずに引き起こされる病気です。通常、自律神経である交感神経と副交感神経がお互いのバランスを取りながら体の状態を調整しています。しかし、過剰なストレスにより交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、自律神経失調症を発症する場合があります。

自律神経失調症になると睡眠を調節する機能に影響を与え、「寝つきが悪い」「眠りが浅い」といった睡眠障害の症状が現れる場合があります。自律神経失調症の原因は、過剰なストレス以外にも、不規則な生活や更年期障害が発症につながる場合があるようです。自律神経失調症の症状は、不眠や頭痛、動悸息切れなど多岐にわたります。

精神的症状として、イライラや不安感、情緒不安定、うつなどの症状が現れる場合があるようです。自律神経失調症の治療法は、ストレス発散や睡眠の周期を整える行動療法、生活習慣の改善などが挙げられます。症状がひどい場合は、不安やストレスを軽減したり症状を改善したりするために、薬物療法がおこなわれる場合があります。

ナルコレプシー

ナルコレプシーとは、日中に突然強い眠気が出現して眠り込んでしまう睡眠障害のことです。突然眠り込むほどナルコレプシーの眠気は強烈で、「睡眠発作」と呼ばれることがあります。眠気を自覚する前に眠る場合もあり、本人も居眠りしたことに気づかないケースもあるようです。

ナルコレプシーを発症する原因は定かではありませんが、ストレスなどの環境的な要因が関与していると考えられています。主な症状には、突然の筋力低下で起こる情動脱力発作や、入眠時現実味のある夢を見る入眠時覚、夜間の睡眠障害などが挙げられます。会議や高速道路での長時間運転など、単調な状況に置かれた時に発作が起こりやすいようです。

ナルコレプシーには、根治的な治療はないと言われています。しかし、日常的な対策と薬物療法を続けることで、通常の生活に戻れる場合があります。日常的な対策とは、夜に十分な睡眠を取り、毎日同じ時間に短い仮眠を取るようにすることです。軽度の症状は日常的な対策で十分だと言われていますが、症状が重度である場合は薬物療法で治療をおこなうことがあります。

眠気に襲われた時の対処法

日中に激しい眠気に襲われた時の対処法には、次のようなものが挙げられます。

  • 気分転換をする
  • ストレッチをする
  • 仮眠を取る
  • ツボを押す
  • カフェインを摂る

それぞれの対処法について詳しく解説します。

気分転換をする

日中に眠気に襲われた時は、作業を一時中断して気分転換するのが有効です。たとえば、冷たい水を顔や首に当てて目を覚ます方法があります。人間は体温が冷えることで、交感神経が刺激され、体の機能が活性化するようです。冷却ジェルや冷却スプレーを使用すると、より効果的に眠気が覚める場合があります。

また、気分転換にガムを噛むのも有効です。ペパーミント成分が含まれるガムは、メントールの香りが中枢神経を刺激して目が覚めるといわれています。また、眠くなるのは脳の血液量の減少が原因のひとつだと言われますが、ガムを噛む行為で脳が刺激され脳の血液量が増やすといわれています。清涼感のあるガムの香りと噛む行為が、眠気覚ましになるかもしれません。

ストレッチをする

日中に眠気に襲われた時は、ストレッチなどで体を動かして目を覚ます方法があります。人間は同じ姿勢を何時間も続けると、筋肉が硬直してしまい、血行不良を起こす場合があるようです。血行不良になると、脳が疲労を起こして眠気を感じさせることがあります。体を動かすことで血行不良が改善されるため、眠気が取れる場合があるようです。

また、眠い時は、体をリラックスさせる副交感神経が優位な状態にあります。体を動かすことで、体の機能を活性化させる交感神経が優位になり、眠気が取れることがあるようです。体を動かすといっても本格的な運動を取り入れる必要はなく、背伸びや屈伸など簡単なストレッチで十分だと言われています。背伸びや屈伸などのストレッチであれば、場所を気にせず空いた時間に手軽におこなえるため、日常的に取り入れやすいかもしれません。

仮眠を取る

時間がある場合は、仮眠を取るのが有効です。特に、強い眠気がある時は、気分転換やストレッチだけでは目が覚めない場合もあります。このような場合は無理して動こうとせず、昼休みや空いた時間を利用して仮眠を取るのが良いかもしれません。ただし、仮眠を取る時は、15〜20分程度の短時間におさめるのが有効だと言われています。

仮眠で長く寝すぎると夜の睡眠の質を下げてしまう場合があるためです。また、仮眠を取る時は、コーヒーや紅茶などカフェイン入りの飲み物を飲むと良い反応を得られる場合があります。カフェインの覚醒作用により、仮眠後にすっきり目覚めることができるようです。

ツボを押す

会議や商談など動きが制限されている場合は、眠気覚ましに効くと言われるツボを押すのも有効です。たとえば、耳たぶには眠気に効くツボがあると言われています。両手の指で左右の耳たぶをつまんで、軽く引っ張るだけです。耳たぶを刺激するだけですが、眠気解消につながる場合もあります。また、手にも眠気に効くツボがあると言われています。

手には合谷(ごうこく)や労宮(ろうきゅう)と呼ばれるツボがあり、指で押すだけで眠気覚ましになる場合があります。合谷は親指と人差し指の付け根にある骨と骨の間のくぼみで、労宮は手のひらの真ん中にツボがあります。手のツボ押しは、身体の動きが制限されている会議中などでも試しやすいため、眠気を覚ましたい時に役立つかもしれません。

カフェインを摂る

日中に眠気に襲われた時は、カフェインを摂取するのが有効です。カフェインは、眠気を起こすアデノシンの働きを阻害し、神経を興奮させる働きがあると言われています。神経が興奮することで眠気が取れるため、カフェイン摂取は眠気覚ましに有効です。

カフェインを含む飲み物には、コーヒーや紅茶、緑茶、清涼飲料水などがあります。また、カフェインは飲み物の印象が強いですが、カカオ豆から作られたチョコレートにも含まれている場合があります。ただし、カフェインの過剰摂取には注意が必要です。カフェインを過剰に摂取すると、不眠症や下痢、不整脈などにつながる場合があります。

ストレスで眠くなる原因を知って対処しよう!

ストレスで眠くなるのは、睡眠バランスの乱れやホルモンバランスの影響、疲労の蓄積などが考えられます。日中に眠くなることが続く場合、その裏にはうつ病や自律神経失調症などの病気が隠れている場合もあります。病気が発症した状態を放置すると症状が悪化して日常生活に支障をきたすため、ストレスを解消することが求められます。

眠気の原因となるストレスを解消するには、信頼できる相手に相談したり生活習慣を見直したりすることが有効な手段のひとつです。しかし、自分の感情をうまく言語化できず、モヤモヤした気持ちを抱える人もいるかもしれません。このような場合は、GARDENのオンラインカウンセリングを利用するのもひとつの選択です。経験豊富なカウンセラーとの対話を通して、感情を整理できる場合があります。感情を整理することで気持ちが楽になり、ストレス軽減につながるかもしれません。

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