共依存とは?陥りやすい人の特徴や克服するためのポイントを解説

共依存とは?陥りやすい人の特徴や克服するためのポイントを解説|GARDEN

「人間関係がうまくいかない」「自分を犠牲にして相手に尽くし過ぎてしまう」「怒りや不安といった負の感情をうまくコントロールできない」

……このような悩みを抱えている方は共依存体質の可能性があります。一度共依存に陥ると抜け出すのが難しいといわれますが、ポイントをおさえて対処することで克服できる場合があります。この記事では、共依存になりやすい人や共依存体質を克服する方法を解説していきます。

共依存とは

共依存は、特定の相手との関係性に過剰に依存し合う心理状態のことです。共依存は関係性に対する依存であり、目に見えるものではありません。また、共依存は複雑な心理状態であり、本人が自覚するまで時間がかかることもあります。一度共依存になると、その状態から抜け出すのは難しく、「つらいけど離れられない」といった負のスパイラルに陥る場合もあります。

共依存の種類

共依存に陥るきっかけは人それぞれですが、縁故関係や恋愛関係にある身近な人間関係において始まることが多いようです。どちらも他人に依存している状態に違いはありませんが、それぞれ異なる特徴があります。共依存の種類について詳しく確認していきましょう。

縁故関係での共依存

共依存に陥りやすい関係のひとつが、縁故関係です。たとえば、親子関係における共依存では、親が必要以上に子どもに執着し、自立を妨げるケースが見られます。養育者である親が子どもを心配するのは当然ですが、共依存の親子は過度に干渉してしまうのが特徴です。このような環境で育った子どもは、「親がいないと何もできない」という思いが強くなってしまい、共依存から抜け出せなくなることがあります。

夫婦間においても、相手を束縛しすぎたり尽くしすぎたりしすぎることで共依存の関係に陥る場合もあります。配偶者に愛情を示すことは素敵なことですが、過度な束縛や尽くす行為は逆に自分を苦しめることになる場合もあります。親子や夫婦といえど、適度な距離感を保つことが大切です。

恋愛関係での共依存

縁故関係に次いで共依存に陥りやすいのが、恋愛関係です。恋人同士で共依存になると、相手に尽くしすぎて甘えてしまうといった特徴が見られます。尽くす側は恋人の欠点が多いと感じると自分の存在価値を感じ、さらに相手に尽くそうとします。ときには恋人の自立を妨げる原因になるほど、過剰に相手に依存し尽くしてしまうこともあることもあります。

また、恋人同士の共依存で注意したい点はDVです。DVは歪んだ愛情で恋人に執着してしまう加害者と、自分の価値を見出せない被害者で起こる傾向があります。一見すると加害者が一方的に依存しているように思えますが、「自分がいないとダメになる」と思い込んで加害者に依存してしまう被害者もいるようです。

共依存に陥ると考えられている原因

共依存に陥る原因は、幼いころの家庭環境や人格、ストレスの影響で起きやすいと考えられています。それぞれの原因を詳しく解説します。

幼いころ頃の家庭環境

共依存に陥るのは、幼いころの家庭環境が影響していると言われています。共依存になる人の家庭環境では、機能不全家族であるケースが見られます。機能不全家族とは、ストレスが日常的に存在する家族状態のことです。このような家庭では、育児放棄や虐待、子どもに対する過度な期待などが、家庭内で起きていることがあります。

機能不全家族において矛先を向けられる可能性が高いのが、幼くて立場の弱い子どもです。不健全な生活環境で人格を形成する大事な時期を過ごしたことにより、大人になってから自己認識の歪みや共依存など生きづらさを抱える場合があります。

人格

共依存に陥る原因として、自己肯定感が育まれていないことが考えられます。自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定する感覚のことです。自己肯定感が育まれると他者と比較することなく、自分自身が今の自分を認めて尊重することで生まれやすくなります。

自己肯定感は幼少期の家庭環境に影響されると言われていますが、ほかにも学校や友達関係など思春期の経験から自己肯定感が育まれないこともありえるでしょう。また、容姿や体型にコンプレックスがあったり恋愛で大きな挫折を経験したりすると、自己肯定感が低くなることもあります。その結果、周囲からの評価を得ないと自分の価値を自分自身で認められなくなると言われています。

ストレス

幼少期に感じた家庭内でのストレスも、共依存に陥る原因として考えられています。いわゆるアダルトチルドレンと呼ばれる人たちで、子どものころに傷ついたトラウマを持ったまま大人になると、家族以外の人間関係において共依存が起こりやすいと言われています。

しかし、機能不全家族や幼少期に傷ついた経験があるからといって、その環境下で育ったすべての子どもが共依存になるわけではありません。同じ環境下で育った兄弟や姉妹でも、性格や感受性、ストレス耐性は異なるからです。また、家庭以外の学校や友達関係でストレスを感じている場合もあります。

共依存になりやすい人の6つの特徴

共依存に陥りやすい人には、以下のような特徴が挙げられます。

  • 世話好き
  • 嫉妬深い
  • 何かに依存しやすい
  • 幼いころにトラウマがある
  • 自己肯定感が低い
  • コミュニケーションが苦手

それぞれの特徴を詳しく解説します。

世話好き

共依存に陥りやすい人には、世話好きという特徴があります。世話好きの人は、困っている人を放っておけないことが多く周囲から頼りにされ、信頼されやすいのが魅力です。

しかし世話好きが過剰になってしまうと、誰かを世話することでしか自分の存在価値を見出すことができなくなる傾向にあります。相手も世話好きの人に対して「従わないといけない」と無意識に考えてしまうこともあります。

このようなお互いの気持ちの歪みが支配欲につながり、共依存が起こる場合があります。相手を支配したいという気持ちはなくても世話を焼くことで自分の存在価値を見出す傾向があるなら、共依存体質かもしれません。

世話好きの人は、周りの助けになりたいというやさしい気持ちの持ち主ですが、相手が本当に求めているのか一度考えてみるのもひとつの方法です。

嫉妬深い

共依存に陥りやすい人には、嫉妬深い特徴があります。恋人や好きな人を独り占めしたくて、周囲に嫉妬することは誰もが経験しうるものです。

しかし、「ほかの人と話さないでほしい」「〇〇がいないと生きていけない」など、強い嫉妬や過度な感情は、共依存である可能性があります。本来、相手の行動や感情はコントロールすることはできません。

共依存体質の人は相手の行動や感情を自分が求めるようにコントロールしようとしてしまいます。客観的に見ると異様な考え方かもしれませんが、本人に自覚がないこともあります。嫉妬を向けられている側は、自分を深く愛してくれていると感じてしまい、行動や感情を制限されていることに自分の存在価値を見出す傾向があります。嫉妬を向けられている側は、「強い嫉妬=深い愛情」ではないことに気づくことが必要かもしれません。

何かに依存しやすい

共依存になりやすい人は、常に依存できる何かを探してしまい、それに対して執着する傾向があります。恋愛では恋人に見捨てられることを極度に恐れて、相手の言いなりになることもあるかもしれません。恋人に貢いだり連絡が来たらすぐに駆けつけたりなど、相手の心を満たして関係をつなぎとめようとしてしまうこともあります。

依存されている側も、自分を必要としてくれる人が身近にいることで自分の存在価値を強く感じるため、心地よい関係から離れられなくなる傾向にあります。依存体質の人が自立するのは簡単なことではありませんが、一人で過ごす時間を増やしたり自分で物事を決めたりなど、自分に自信をつけるために行動してみるのもひとつの方法です。

幼いころにトラウマがある

幼少期に深く傷ついた経験をし、そのトラウマが心の中に残っている場合は共依存に陥りやすい傾向にあります。幼いころに深く刻み込まれた傷が心にある人は、自分の心を抑えたまま大人へ成長します。また、褒められたり認められたりする機会が少ないと、大人になっても自己肯定感が低くなってしまう場合があります。

大人になってから失った自尊心を取り戻すために、他人に尽くして評価を得ようとしてしまいます。その結果、恋愛関係や夫婦関係において、相手に尽くしすぎたり過剰な愛情を注いだりしてしまうかもしれません。相手も恋人や配偶者から過剰な愛情を受けて自分の存在意義を見出している場合、共依存の関係になることがあります。

自己肯定感が低い

ネガティブ思考だったり自分に自信がなかったりするなど、自己肯定感が低い人も共依存に陥りやすいといわれています。自己肯定感が低い人は、自分で自分の存在価値を見出すことが難しいと言われています。相手から評価されたり頼られたりすることで、ようやく自分の存在価値を認められるようになる傾向があります。

自己肯定感が低くなる要因のひとつとしては、幼少期に親に褒めてもらえなかったり成功体験を積んでなかったりすることが考えられます。また、兄弟や友達と比較される機会がある人も、自己肯定感が低くなると言われています。

コミュニケーションが苦手

共依存に陥りやすい人は、コミュニケーションをとることに抵抗を感じる場合があります。コミュニケーションに抵抗感を持つ人は、話を盛り上げなくてはいけないという思いから過度に緊張してしまう傾向があります。緊張した状態で話をすると、本心を言えなかったり欲求を我慢したりすることが増えることがあります。

会話が受け身になるので、知らず知らずのうちに相手のペースになり、支配されてしまう傾向があります。支配されている側は、本人も気づかないうちに依存の関係になる場合もあるため、自分から抜け出すのは難しいと言われています。支配している側は、自分の言葉を受け入れてくれる相手に対して居心地の良さを感じ、共依存の関係になることがあります。

共依存を克服するための5つのポイント

共依存から抜け出すのは簡単なことではありませんが、負のスパイラルを断ち切るには少しずつでも改善することが大切です。共依存を克服するには、以下のようなポイントがあります。

  • 自己肯定感を高める
  • 趣味をつくる
  • 自分の生い立ちを振り返ってみる
  • 一人で決断する癖をつける
  • カウンセリングを受ける

それぞれのポイントを詳しく解説します。

1.自己肯定感を高める

自己肯定感が低い人は、周囲から認められたい気持ちが強い傾向にあります。共依存体質を克服したいなら、自己肯定感を高めるのも一つの方法です。自己肯定感を高めるには、まず現状を認めることから始めることがよいかもしれません。自己肯定感が低い人は自分に自信がないため、何事にも否定から入ってしまう傾向があります。ネガティブな感情を持ってしまうことは悪いことではありません。

そのような自分を正面から受け止めて認めてあげることが大切です。自分の気持ちを高めるために、日頃から肯定的な言動を意識するのも選択肢のひとつです。また、失敗しても自分を責める必要はありません。反省しすぎたり否定し続けたりすると、自己肯定感が低い状態から抜け出すのは難しくなる場合があります。失敗より挑戦したことに目を向ければ、少しずつ自分に自信が持てるようになり自己肯定感を高めることができるかもしれません。

2.趣味をつくる

意識をほかの物事に向けるために自分の趣味を見つけるのもおすすめです。自分に没頭できる趣味があれば、共依存している相手のことを考える時間を減らすことができるかもしれません。趣味を通して友達ができれば、さらに相手のことを考える時間が減るでしょう。

趣味を見つけるには、まず自分の好きなことを知る必要があります。好きなことから結び付く趣味が見つかれば、長続きする場合もあるでしょう。自分の好きなことを知るために、思いつくまま紙に書き出すという方法があります。書き出した中で気になるものがあれば実際に挑戦してみて、自分に合う趣味なのか判断するのも良いかもしれません。

3.自分の生い立ちを振り返ってみる

共依存体質を克服したいなら、自分の生い立ちを振り返るという方法があります。共依存体質になってしまう背景には、幼少期の家庭環境やつらい経験が大きく影響している場合があります。自分の生い立ちを幼少期から振り返り、どのような出来事が共依存体質へとつながるのか確認するのも有効な場合があります。人によっては、生い立ちを振り返るのはつらいことかもしれません。

しかし、共依存体質を克服するには根本の原因を理解することが大切と言われています。また、生い立ちを振り返ることにより、客観的に自分の人生を見つめ直す良い機会にもなるかもしれません。幼少期の記憶を思い出せないときは、両親や祖父母、同級生などに聞いてみるのも良いかもしれません。異なる視点で、自分の生い立ちを振り返ることができるでしょう。

4.一人で決断する癖をつける

共依存体質の人は自分で決断することに抵抗があり、いつも誰かに判断を任せてしまう傾向があります。判断を委ねてしまうと雰囲気に流されたり、都合の良い存在になったりして他者への依存から抜け出せません。克服するポイントとして、日常の些細なことから、自分で決断する癖をつけることが有効と言われています。小さな決断でも積み重ねれば、少しずつ成功体験を得られるため、自信を持って決断できるようになるかもしれません。

また、共依存体質の人は一人でいることに不安を感じる傾向があります。安心感を得るために、誰かと行動を共にすることもあるでしょう。共依存体質を改善したいなら、意図的に一人で過ごす時間を増やすことが大切です。はじめは不安かもしれませんが、繰り返しおこなえば少しずつ慣れてくるかもしれません。共依存の原因が親や恋人にあるなら、別行動する機会を作ってみるのもひとつの方法です。

5.カウンセリングを受ける

共依存体質を自分で克服できるのか不安な場合は、カウンセリングを受けるという方法もあります。カウンセリングを受けることで、対話を通して心理的不調を改善できたりモヤモヤした気持ちを整理できたりすることもあります。

カウンセリングでは、自分でも説明できないようなモヤモヤした気持ちを対話を通してやさしく紐解いてくれます。親や友達ではない第三者に話すことで、共依存体質を克服できる糸口が見える場合もあります。ただし、共依存体質の人はコミュニケーションをとることに抵抗感を覚える場合もあるでしょう。カウンセリングで自分の気持ちをうまく説明できるか不安なときは、今抱える悩みや不満を紙に書き出せば、頭の中が整理できて言葉にしやすくなります。

共依存から抜け出す方法を知ろう!

共依存は複雑な心理状態であり、簡単に抜け出せるものではないかもしれません。しかし少しずつでも共依存体質を克服するために行動することも大切です。自分一人で共依存体質を克服できるのか不安な場合はカウンセリングを受ける方法もあります。

特に共依存体質の原因をうまく理解できなかったり、気持ちの整理がつかず身動きがとれない状態の方はカウンセリングがおすすめです。自分でもうまく説明できないようなモヤモヤした気持ちでも、対話を通して整理できるかもしれません。一人でつらいときは、GARDENのカウンセリングを検討してみてはいかがでしょうか。

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