育児ストレスとは、育児に関する悩みや子育ての責任を背負うことで引き起こされるストレスのことです。日本の現代社会では「育児ストレスを抱えている」との声を耳にすることもあります。本記事では、子育てに疲れた時の解消方法と、ストレスを溜めないための4つのポイントを解説していきます。
子育てをストレスと感じる育児ストレスとは
育児ストレスとは、子育てに対する不安や悩み、日々の疲れなどが蓄積してしまうストレスのことです。日本の現代社会では核家族化が進行しており、周囲からの十分なサポートを受けられず、ひとりでストレスを抱えてこんでしまうケースもあるでしょう。
育児ストレスの原因は、子どもの成長に伴って変化する傾向があります。子どもの成長で解消されるとは限りません。育児ストレスは、子どもだけでなく、親の心身の健康にも悪影響を与える可能性があります。育児ストレスの原因を知り、適切に対処することが必要です。
育児ストレスの主な4つの原因
子育ては、親にとってかけがえのない経験といえるでしょう。しかし、子育てには定期的な休み時間や休暇がなく、現在の日本社会において、親が育児ストレスを抱えている現状があります。育児ストレスがたまる主な原因として考えられるのは、以下の4つです。
- 自由な時間がない
- 子どもが言うことを聞かない
- パートナーが非協力的
- 周りが育児に口を出す
それぞれくわしく解説します。
1.自由な時間がない
自由になる時間のないことが、育児ストレスの大きな原因です。育児には休み時間がありません。とくに子どもが生まれてまもない時期には、数時間おきの授乳やおむつ替えが続き、十分な睡眠時間をとるのが難しくなります。
子育てで寝不足になってしまった経験のある方母親は、たくさんいるでしょう。お風呂にゆっくり入ることもできません。自由な時間がないことは、育児ストレスをもたらす大きな原因といえるでしょう。
2.子どもが言うことを聞かない
子どもが言うことを聞かないことも、育児ストレスの原因だと考えられます。子どもが小さいうちは、大人の道理は通じません。子どもとのコミュニケーションがスムーズに取れないことが、ストレスの原因になるでしょう。
1~2歳のイヤイヤ期、3~4歳の反抗期など、子どもの成長によって言うことを聞かない状況も変化します。ゴールが見えず、知らず知らずのうちにストレスがたまってしまうケースもあるでしょう。
3.パートナー夫が非協力的
育児は夫婦の共同作業が基本です。しかし、夫パートナーが非協力的であるケースもあるでしょう。夫だけが自分の時間を持っていると、余計にストレスがたまります。「自分ばかりがなぜこんな思いをしなければいけないのか」と感じている方母親もいるでしょう。
パートナー夫に対する不満が、育児ストレスをより大きなものにしてしまうことがあるのです。
4.周りが育児に口を出す
同居家族や近隣に住んでいる家族による育児に対する口出しが、育児ストレスにつながるケースも考えられます。子どもが病気にかかったときに、自分に代わって世話をしてくれるなど、働く親にとって同居家族のサポートはありがたいものです。
しかし、育児方法や教育方針の違いなどにより、育児に口出しされることが、ストレスになる場合もあるでしょう。根底に価値観や生活習慣の違いがあるため、難しい問題になりがちです。
育児ストレスが招く症状とは
育児ストレスを感じると、さまざまな症状が現れます。身体的な症状、精神的な症状、行動に出る症状の3つに分けて解説しましょう。
それぞれの症状の中で該当するものがある場合には、育児ストレスを抱えている可能性があるため、適切な対応が必要になります。育児に疲れてしまった時には、セルフチェックの参考にしてください。
身体的症状
身体的な症状には、以下のようなものがあります。
- 食欲不振や吐き気
- 頭痛や腹痛(胃痛や下痢)など体調不良
- 睡眠障害(眠ろうとしても眠れず、すぐに目が覚めてしまうケースや、逆に寝過ぎてしまうケースもあります)
育児ストレスを感じるようになる以前との体調の違いを確認・比較してみることで、症状の把握がしやすくなるでしょう。
精神的症状
精神的な症状には、以下のようなものがあります。
- すぐにイライラしてしまう
- 不安にかられやすい
- ちょっとしたことで落ち込んでしまう
- すぐに自分を責めたり、自分は無価値だと感じたりしてしまう
- 何事にも興味がわかず、無気力になってしまう
精神的な症状の現れ方は人それぞれであり、育児ストレスが原因かどうかの判断は簡単ではありません。しかし、育児ストレスの蓄積が育児ノイローゼの原因になるケースもあるため、注意が必要です。
行動に出る症状
行動に出る症状には、以下のようなものがあります。
- 他人に八つ当たりしてしまう
- 過食してしまう
- アルコールに依存してしまう
- 誰とも会う気になれず、引きこもってしまう
- 買い物に依存してしまう
- 自傷行為をしてしまう
これらの症状が該当する場合には、育児ストレスが原因である可能性があるため、放置せずに適切に対処する必要があるでしょう。
育児ストレスを抱えた際の解消法
育児ストレスを抱えていて、その状態が長く続くと、育児ノイローゼの原因になってしまう場合があるため、早めにストレスの解消に努める必要があるでしょう。育児ストレスの主な解消方法は、以下の4つです。
- 気持ちを整理する
- 自分の時間を作る
- マインドフルネスを取り入れる
- 誰かに相談する
それぞれくわしく解説します。
気持ちを整理する
育児ストレスを抱えている場合には、イライラする、気分がふさいでしまうなど、漠然とした感情を抱えているケースも考えられます。
自分の気持ちをノートに書き出すなど、整理することで、状況を客観的にとらえて、気持ちを整理しやすくなるでしょう。口に出してみる、スマートフォンのメモ帳や日記機能を利用するなど、自分のやりやすい方法でによる気持ちをの整理することをおすすめします。
自分の時間を作る
育児ストレスを解消するためには、自分の時間を作ることが有効です。ひとりの時間を過ごすことで、リフレッシュできるでしょう。自分の時間を作るためには、パートナー夫や同居家族にサポートしてもらう、ベビーシッターなどの外部サービスを利用するなど、積極的に自分の時間を作るための行動をすることも必要です。
自分の時間を確保できたら、買い物をする、美容院に行く、映画やコンサートに行くなど、好きなことをして過ごすことをおすすめします。自分だけの時間を過ごすことが、ストレス解消につながるでしょう。
マインドフルネスを取り入れる
マインドフルネスを取り入れることも、育児ストレスの緩和に有効といえます。マインドフルネスとは、近年注目されているストレス解消法で、脳や心を整えるための方法です。自分の呼吸に意識を向け続けることで、「今、この瞬間」に注意を集中させします。一般的なマインドフルネスのやり方は、以下です。
1.良い姿勢で背筋を伸ばして座る(床でも椅子でも可)
2.自分の呼吸に意識を向ける
3.ゆっくりと呼吸の「吸う」と「吐く」を繰り返す
なお、初心者におすすめなマインドフルネス呼吸法として、「4・7・8呼吸法」「片鼻呼吸」などがあります。
「4・7・8呼吸法」は、4秒息を吐いて、7秒息を止め、8秒かけてゆっくり吸う方法です。この3つの動作を1セットとして、4セット繰り返します。
「片鼻呼吸」は片方の鼻の穴で交互にゆっくりと息を吸って吐く呼吸法で、手順は以下です。
1.右の鼻の穴を右手の親指で押さえて、左の鼻の穴からゆっくり息を吸う
2.左の鼻の穴を右手の薬指で押さえ、少しだけ息を止める
3.右手の親指を右の鼻の穴から放して、右の穴からゆっくり息を吐く
4.左の鼻の穴を左手の親指で押さえて、右の鼻の穴からゆっくり息を吸う
5.右の鼻の穴を右手の薬指で押さえ、少しだけ息を止める
6.左手の親指を左の鼻の穴から放して、左の鼻の穴からゆっくり息を吐く
6つの動作を何度か繰り返します。時間は1~2分でかまいません。毎日続けるのがコツです。呼吸をするだけのため、いつでもどこでも簡単に実行できる、おすすめのストレス解消法です。
誰かに相談する
育児ストレスをひとりでためこまずに、誰かに相談することで発散できます。気心の知れた友人と会話するだけでも、リフレッシュできるでしょう。外出が難しい場合には、電話やリモートで相談するやり方もあります。
カウンセラーに相談することによって、気持ちが楽になる、育児ストレスの解決策が見えてくるなどの効果も期待できるでしょう。
育児ストレスを抱えないための4つのポイント
育児ストレスの解消方法をいくつか、ご紹介してきました。しかし、そもそも育児ストレスにならないように気をつけることも大切です。子育てを完璧にやろうとしすぎる人、理想を追求しすぎる人、真面目すぎる人などが育児ストレスになりやすい傾向があります。
育児ストレスを抱え込まないための主なポイントは、以下の4つです。
- 自分のこだわりを捨てる
- タスクに優先順位をつける
- 心と身体を適度に休める
- 弱音を吐く
それぞれくわしく解説します。
1.自分のこだわりを捨てる
子育てに対して、理想を追求しすぎることで、育児ストレスを招いてしまう場合があります。高い理想を持ちすぎたために、達成感を得られず、ストレスにつながることもあるためです。
完璧主義であること、責任感が強いこと、真面目であることは、人としての長所ですが、度を過ぎると、自分で自分を苦しめることにつながってしまう場合もあります。時には、「こうでなければいけない」という自分のこだわりを捨てることも重要でしょう。
ネット上の情報にまどわされて、人の子育てと比較しすぎないようにすることも大切です。
2.タスクに優先順位をつける
育児では、日常的にしなければならないタスクがたくさんあります。すべてのタスクの完璧なクリアを目指すことが、育児ストレスにつながってしまうケースもあるでしょう。そんな場合は、タスクに優先順位をつけることをおすすめします。
やり方は簡単です。タスクに以下のように優先順位をつけます。
- 必ずやらなければいけないこと
- できたらやっておきたいこと
- やっておいたら、後々が楽になること
1は「できたらOK」くらいに考えるのがいいかもしれません。完璧さは求めないのがポイントです。2と3は、「できたらラッキー」くらいに気軽に考えます。タスクのハードルを下げるのが、ポイントです。自分で自分を追い詰めないようにすることで、育児ストレスを回避できます。
3.心と身体を適度に休める
心と体を適度に休めることも必要です。育児ストレス解消法として、リフレッシュすることをおすすめしましたが、この方法はそもそもの育児ストレスをためこまないようにするためにも有効といえるでしょう。
まとまった時間を作れなくても、スキマ時間を利用することで、気分転換を図れます。音楽を聴く、散歩する、映画を観るなど、リラックスタイムを設けるようにします。。前述したマインドフルネスを取り入れるのもいいかもしれません。ヨガやストレッチなど、軽めの運動もおすすめです。
4.弱音を吐く
我慢しすぎることが、育児ストレスをためこむことにつながる場合もあります。弱音を吐いたり、愚痴をこぼしたりすることも必要です。自分ひとりで悩みや不安を抱え込まずに、誰かに話して、発散するといいかもしれません。
友人、パートナー、地域の保健師さんなど、育児について話せる相手を作っておくと安心です。誰かに話すことによって、発散するだけでなく、自分の気持ちを整理できるでしょう。
ためこみすぎる前に弱音を吐くことで、上手にリフレッシュしましょう。
育児ストレスの悩みはカウンセリングで相談してみましょう
育児ストレスとは、子育てによるイライラや不安がたまってしまうストレスのことです。自分の自由になる時間がない、子どもが言うことを聞かない、パートナーが協力してくれない、まわりが子育てに口を出すなど、さまざまなことが原因になりえます。
育児ストレスを解消するには、ひとりでストレスを抱え込みすぎないことが大切です。カウンセラーなどの専門家に相談することも有効といえるでしょう。
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