心が壊れるとき、さまざまな前兆が現れることがあります。その前兆を見過ごすと、うつ病や不安症群などの病気を発症することもあるようです。
今回は、心が壊れる前兆として現れる症状例や原因、心が壊れないためのポイントについて解説します。
心が壊れる前兆とは?10の症状例
心が壊れる前兆として現れる症状には、次のようなものがあります。
- 寝られない
- 寝てもスッキリしない
- 食欲がない
- アルコール・喫煙・浪費などが増える
- 容姿に気を配らなくなった
- イライラしやすくなる
- 何事にもやる気が出ない
- 趣味を楽しめない
- 表情が変わる
- ネガティブ思考になる
それぞれの症状について詳しく解説します。
寝られない
心が壊れる前兆として、寝られない症状があります。ベッドに横になってから随分時間が経つのに、不安や心配事が頭から離れなくなって目が冴えてしまうようです。
人間は、頑張って起きることはできますが、頑張って眠ることはできないと言われています。頑張っても寝られないのは、眠ろうとする意気込みで覚醒が高まり、睡眠モードに移行できないためです。
覚醒から睡眠に移行するには、自律神経を交感神経から副交感神経に切り替える必要があります。しかし、心が壊れる前は過度なストレスを抱えており、自律神経が乱れやすい状態です。過度なストレスを受けると交感神経が優位になり、眠りたいのに寝られない状態が続く場合があります。この状態を放置すると、眠れないことが慢性化することがあるようです。
寝てもスッキリしない
心が壊れる前は、しっかり寝てもスッキリしないといった症状が現れることがあります。十分に寝られた実感がないまま日中に活動するため、「昼間に眠気に襲われる」「仕事に集中できない」といった睡眠トラブルを抱えることがあるようです。
心が壊れる前は、過度なストレスを抱えていることが多く、自律神経が刺激されて交感神経がより優位になるようです。交感神経が優位になると脳や体が興奮状態になり、熟睡しづらくなります。
また、睡眠中は交感神経の影響により、脳の疲労を回復させるノンレム睡眠が少なくなるようです。ノンレム睡眠が少なくなると眠りが浅くなり、寝てもスッキリしないことがあります。
食欲がない
心が壊れる前兆として、食欲不振の症状が現れることがあります。食欲がないのは誰にでも起こり得るもので、気分の落ち込みや風邪などで一時的に食事の量が減ることもあるでしょう。しかし、2週間以上経過しても食欲が戻らないときは、心が壊れる前兆かもしれません。
食欲不振の原因として、ストレスにより自律神経が乱れていることが考えられます。通常、食べ物の消化吸収は副交感神経が優位な状態のときに促されますが、過度なストレスを抱えているときは緊張状態を引き起こす交感神経が優位になるようです。
交感神経が優位になると胃や腸の働きが抑制され、食欲不振の症状が出やすくなります。さらに、ストレスで亜鉛が不足すると味覚の鈍化が起こる場合があるようです。亜鉛不足で味覚を感じづらくなるため、その影響で食欲が低下することもあります。
アルコール・喫煙・浪費などが増える
心が壊れる前兆として、アルコールや喫煙、浪費などが増えることがあります。たとえば、お酒は依存性が強く、飲む量が増えると、お酒を飲まないと落ち着かない状態に陥ることがあるようです。とくに、過度なストレスを感じているときは、お酒を飲み始めるとブレーキが利かなくなり、飲む量や回数が増えてアルコール依存症を発症する場合があります。
心が壊れる前に喫煙が増えるのは、ストレスを解消しようとするためです。喫煙した直後はストレスが少し減少しますが、時間が経つとたばこを吸いたくなるようです。結果的に、ストレスと比例して喫煙の回数が増えることがあります。
また、お金を使ってストレスを発散する人もいるようです。浪費することで精神的に満たされ、気分転換をしていることが考えられます。ストレスによる浪費は、買うことで心が満足するため、買い物の直後は気持ちがスッキリすることがあります。しかし、よく考えるといらないものばかり衝動買いしており、あとから自己嫌悪に陥る人もいるようです。
容姿に気を配らなくなった
心が壊れる前兆として、容姿に気を配らなくなることが挙げられます。過度なストレスにより心に余裕がなくなり、今までできたことができなくなるようです。
他人にどう見られるのか気にならなくなるため、今までに比べて服や髪型に関心がなくなるなど容姿に気を配らなくなることがあるようです。
イライラしやすくなる
心が壊れる前は、イライラしやすくなるようです。たとえば、自分の物差しの枠を超えた人に会ったり許容範囲以上の仕事を抱えたりしたときに、ストレスを感じてイライラしやすくなると言われています。とくに、やるべきことが多くなると、自分の物差しはより狭くなる傾向があるようです。心に余裕を持てなくなり、少しのことでもイライラしてしまいます。
また、ストレスを感じたときは、過呼吸や動悸、筋肉の緊張など身体的な症状が伴うことがあるようです。これらの症状は、自律神経に影響されて起こります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、通常はバランスよく機能してくれています。しかし、イライラすると交感神経が優位になるため、体が活動モードに切り替わり、身体的な症状が出ることがあるようです。
何事にもやる気が出ない
何事にもやる気が出ないのは、心が壊れる前兆かもしれません。目の前にやるべきことがあるのにやる気が起こらないのは、過度なストレスや疲労の蓄積が原因だと言われています。
近年はスマホが普及しており、SNSでのコミュニケーションが活発化しています。手軽な連絡手段として活用されていますが、「すぐに返信しないといけない」など過度に気を遣うことで大きなストレスを抱えることがあるようです。
また、日中のストレスを解消するために、夜中までスマホで動画やインターネットを利用する人が増えています。しかし、寝る前のスマホ利用は睡眠の質を下げるため、日中の活力低下を招き、何事にもやる気が出なくなることがあるようです。
趣味を楽しめない
日頃溜まったストレスを、自分が好きな趣味で解消する人もいます。しかし、ストレスが蓄積されすぎると、以前は楽しめていた趣味を楽しめなくなることがあります。自分が好きな趣味でも心から楽しめないのは、物事に対する感度が鈍るためです。
専門用語では、楽しめなくなる状態を無快楽症といいます。楽しさが消失するのは、脳内に存在する神経伝達物質のバランスの乱れが影響していると言われています。
過度なストレスを脳が察知すると、身を守るために興奮状態を維持しようとします。興奮状態を維持するために精神を落ち着かせる神経伝達物質の働きが抑えられるため、意欲が低下して無気力状態になり、趣味を楽しめなくなるようです。
表情が変わる
心が壊れる前兆として、表情が変わることがあるようです。骨同士をつなげる身体の筋肉と異なり、顔の表情筋は骨と皮膚に付着しています。
いくつかの筋肉を相互に動かすことにより、その時に感じた感情や情緒を細やかな表情で表現できるようです。しかし、ストレスを感じているときは、表情を作り出す表情筋が緊張するため、それと連動して表情がこわばることがあります。
また、過度なストレスを感じるときは顔の神経障害が起こり、顔が歪むなど意図しない表情になることがあるようです。ストレス過多な状態を放置すると、顔面神経麻痺や眼瞼下垂、顔面けいれんなどを引き起こすこともあります。
ネガティブ思考になる
心が壊れる前兆として、ネガティブな思考になることがあります。セロトニンには、精神状態を安定させて幸福感を得やすくする働きがあり、不足することでネガティブ思考が増えやすくなると言われています。。
過度なストレスが続くとセロトニンの分泌量が減少するため、精神的に不安定になり、ネガティブな思考に陥ることがあります。
また、セロトニンの減少は睡眠障害を招くことがあります。睡眠障害により自律神経のバランスを崩してしまい、負のループに陥ることがあるようです。
心が壊れる原因
いくつもの精神的なストレスが積み重なると、心が壊れることがあります。ストレスの原因は人によって異なりますが、仕事や家庭、金銭トラブルなどが起因になることもあるようです。
たとえば、真面目な人は仕事に対して責任感が強い傾向にあります。一度仕事で大きな失敗をすると、「自分はダメな人間だ……」と必要以上に自分を責めてしまうことがあるようです。失敗は誰にでも起こり得るものですが、心が壊れる直前の人は心に余裕がないため、過去の失敗を気にしすぎて気持ちを切り替えられないことがあります。
家庭内のストレスでいえば、家族間での激しい意見の食い違いや性格の不一致が心の負担になることがあるようです。問題が長期に及んだ場合は、過度なストレスがかかり、最終的に心が壊れることがあります。家族は、仕事のように転職や離職といった手段で関係を断ち切れないため、問題が複雑化する傾向にあるようです。
お金の余裕は心の余裕と言われることもありますが、経済状況が過度なストレスにつながることがあります。経済的に不安定な状態が続くと、長時間労働で補填しなければいけない状態に追い込まれる場合が考えられます。日々仕事に追われることになるため、気分転換するプライベートな時間を作れず、ストレスが限界に達して心が壊れることがあるようです。
心が壊れるとどうなる?ストレスが原因で考えられる病気
ストレスが原因で考えられる病気には、次のようなものが挙げられます。
- うつ病
- 適応障害
- 不安症群
それぞれの特徴や症状について詳しく解説します。
うつ病
過度なストレスが溜まると、うつ病を発症することがあります。うつ病は気分障害の一種で、意欲低下や気分の落ち込みなどの精神症状が現れることがあるようです。うつ病と聞くと精神症状がよく知られていますが、頭痛や動悸、睡眠障害など身体症状が目立つ場合もあります。
また、適応障害や不安障害など、うつ病以外の病気でも、うつ状態が引き起こされることもあるようです。いずれにしても症状が見られる場合は、放置せずに早めに受診することが重要です。うつ病の主な治療法は休養、心理療法、薬物療法で、心理療法では日常生活で生じるストレスに適応できるように支援していきます。つらい身体症状が出ているときは、薬物療法が用いられることもあるようです。
適応障害
適応障害は、就職や結婚、出産など環境が大きく変化したときに発症しやすいと言われています。新たな環境に適応するために意気込んだものの、思いどおりに事が運ばない状況にストレスを感じるようです。適応障害は原因が明確であるため、その原因から離れると改善する傾向があります。適応障害を発症すると、不安や無気力、イライラ感などの精神症状が現れるようです。
身体症状は、不眠や倦怠感、食欲不振などが挙げられます。適応障害の治療は、発症原因を特定することから始めるようです。原因を取り除けるときは、そこから離れることを提案される場合があります。また、再発予防の対処法など、日常生活で生じるストレスに適応できるように支援してくれるようです。つらい身体症状があるときは、薬物療法が用いられます。
不安症群
不安症群は、不安を主症状とする疾患群をまとめた名称です。具体的には、パニック症や広場恐怖症、社交不安症などが含まれます。不安症群を発症する原因は解明されていませんが、環境ストレスに反応して不安症状が出ることがあるようです。また、身体の病気、カフェインやアルコールなどの過剰摂取により、不安症状が出る場合もあります。
不安症群の症状はさまざまで、ほとんど気づかないほど軽いものから、息切れやめまい、心拍数増加など本格的なパニック発作まで幅広いのが特徴です。不安症群の治療法は、心理療法と薬物療法が用いられます。まずは不安の原因を取り除き、心理療法で不安を呼び込みやすい考え方の癖を修正していくようです。つらい身体症状が出るときは、薬物療法で治療をおこないます。
心が壊れないための5つのポイント
心が壊れないためのポイントには、次のようなものが挙げられます。
- 十分な睡眠をとる
- 生活リズムを整える
- 食生活を見直す
- 運動習慣をつける
- 好きなことをする
- 誰かに話を聞いてもらう
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.十分な睡眠をとる
心が壊れないようにするには、十分な睡眠をとることが重要です。睡眠をとると体内の修復を促す成長ホルモンが多く分泌されるため、睡眠中に疲労回復が促進されます。また、自立神経の乱れも整えてくれるため、「寝つきが悪い」「寝てもスッキリしない」といった症状を改善していくことができるようです。
質の高い睡眠をとるには、体内時計のリズムを保つことが重要だと言われています。たとえば、規則正しい時間に起きて朝の光を浴びて体内時計をリセットしたり、就寝する前は脳を刺激するスマホやパソコンの使用を避けたりすることが有効です。
2.生活リズムを整える
心が壊れる前兆が見られる人は、生活リズムが乱れていることがあります。生活リズムが乱れた状態で毎日過ごしていると余計にストレスが溜まり、心の負担が大きくなるため、生活リズムを見直すことが求められます。正しい生活リズムを作るには、体内時計を正しく調整することが重要です。
たとえば、朝起きたらエネルギー源となる朝食をとることもそのひとつで、。朝ごはんを食べると体温が上がり、日中活発的に活動できるようになります。昼間はしっかり活動して、夜は毎日同じ時間に布団に入って眠りやすい環境を整えていきます。「夜になると眠くなり、朝が来ると目覚める」といった生活リズムを作ることができるようです。
3.食生活を見直す
食事は、心の健康状態にも影響を与えると言われています。心の不調を予防するには、ビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養素を必要量摂取することが重要です。とくに、ビタミンはうつ病との関連が指摘されています。ビタミンは、卵や肉、大豆などの食材に多く含まれているため、積極的に摂取することが重要です。
また、鉄や亜鉛もうつ病の発症に影響を及ぼすと言われています。鉄を多く含むのは、レバーや赤身肉などの濃い色の肉、小松菜やホウレン草などの野菜や豆類、海藻類です。亜鉛は、魚介類や肉類、穀類などに多く含まれています。必要な栄養素を摂取するためにも、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
4.運動習慣をつける
心が壊れないようにするには、運動習慣をつけることも大切です。継続的な運動は、身体の健康だけではなく、ストレス解消につながる場合があります。運動がストレス解消になるのは、体を動かすことで精神を安定させるホルモンが分泌されるためです。
ヨガやウォーキングなど軽い運動でもホルモンは分泌されると言われています。運動不足の人は、はじめは身体の負担が少ない運動を取り入れてみるのが良いかもしれません。
また、運動をすると交感神経が優位な時間が長くなるため、ポジティブ思考になったり、昼間に運動をして適度に疲れることで、夜間の睡眠が促進されたりするようです。
5.好きなことをする
心が壊れないようにするには、溜め込んだストレスを解消することが重要です。自分の好きなことができる時間を作り、ストレスを発散できる環境を整えるのが効果的だと言われています。具体的には、趣味に没頭したり旅行に出かけたり、ドライブしたりすることなどが挙げられます。
何かに没頭している時間はほかのことに意識が向くため、ストレスから離れられるようです。短時間でも、一時的にストレスから距離を置くことで心が軽くなることもあります。また、好きなことをすると良い気分転換にもなるため、新たな気持ちで日常に戻れるかもしれません。
6.誰かに話を聞いてもらう
心が壊れそうで精神的につらいときは、信頼できる家族や友達に相談して話を聞いてもらうのも有効です。心に蓄積された気持ちを誰かに話すことで、ストレス解消につながる場合があります。悩みを誰かと共有できたことで、心が軽くなる人もいるようです。
また、誰かに話を聞いてもらうなかで、自分の気持ちを整理できることもあります。ストレスの原因が明確になり、解決の糸口が見えることもあるようです。周りのサポートを得られることもあるため、問題解決に向けて前進できるかもしれません。
心が壊れる前にカウンセリングを受けてみよう!
心が壊れる前兆として、不眠や食欲不振などさまざまな症状が出る場合があります。その状態を放置すると、うつ病や適応障害、不安症群など心の病気を発症することもあるようです。
心が壊れる前兆として現れる症状は、精神的なストレスが積み重なって起きると言われています。心が壊れる前に早く症状に気づき、原因となるストレスを取り除いてあげることが重要です。また、心が壊れて精神的につらいときは、誰かに相談するのも良いかもしれません。
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